毎週水曜日配信、「元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術」
業界歴21年、不動産会社専門コンサルタント 梶本幸治さんが、デキる営業の心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。
物件の販売活動において重要な広告ですが、紙のチラシとインターネットでは、上手な宣伝方法は全く異なるようです。具体的にはどういったものなのでしょうか?(リビンマガジンBiz編集部)
(画像=写真AC)
「不動産業は仕入れが命」とは言うものの、仕入れた物件を販売しないとお金は入ってきません。
買主集客のツールとしては「チラシ」と「インターネット」がメインになります。では、チラシとネットではどちらの反響客が「理論的」に本気度が高いと思いますか?
このように質問すると多くの不動産営業担当者が、次のようおっしゃいます。
「そりゃ、チラシのお客様の方が熱いでしょ!ネットの客なんて電話をしても出ないし、メールをしても返信はないし…。ネットの客なんて冷やかしばっかり!」
しかし、「理論的」にはインターネット反響客の本気度が高いと言われています。
インターネットの場合、オーガニック検索でのアクセス(ヤフーやグーグルで検索し、検索結果に表示されたサイトにアクセスすること)であっても、リスティング広告からのアクセス(検索されたキーワードに関連する広告のサイトにアクセスすること)であっても、「検索」という行動が伴いますよね。
インターネットのお客様は不動産に関する興味が顕在化しており、ネット上で不動産に関する情報を入手したいと考えています。つまり「能動的」なお客様といえます。
その一方で、チラシは「受動的」な反響が多く、たまたま手に取ったチラシを見てお問い合わせをされます。
とはいうものの「チラシを毎週毎週チェックしておられるお客様も多いじゃないか!このようなお客様はある意味、ネット客より能動的だ」というご意見もあるでしょう。
あくまでも「理論的」には、このような傾向にあるとご認識下さい。
・チラシ反響客は受動的
・ネット反響客は能動的
この原則を踏まえたうえで、各々の集客を増やすために効果的な手法をご紹介します。
チラシからの反響を増やすなら、ターゲット(ペルソナ)を細かく設定し、そのターゲットに響くメインキャッチコピーを紙面に大きく記載します。多くの不動産チラシの中から手に取っていただくには、メインキャッチコピーで関心を惹き、「このチラシは私にとって有益な情報が載っていそうだから、隅々まで見てみよう」と思わせる必要があります。そして、掲載する情報もターゲットに合わせて厳選し、問い合わせへと誘導して下さい。
以前のコラム、「仕入れ反響を獲得する鍵は「文字の多さ」と「狭いキャッチコピー」にあり!」でもチラシのキャッチコピーの重要性について解説しています。是非ご確認ください。
次にネットからの反響を増やす場合です。それはできるだけ情報を開示することです。
能動的な検索行動で辿り着いたサイトに満足する情報がなければ、お客様は他のサイト(他の物件)に移ってしまいます。
・写真の掲載点数が少ない。
・写真のクオリティが低い。
・物件の説明が不十分。
・価格や間取等、基本的な情報が分かりにくい。
なんてことのないように注意して下さい。
ネットのユーザーは、「自分の知りたいことを知れる」「一番詳しいことが載っている」サイトから問い合わせする確率が高いのです。
チラシの内容をそのままHPに上げている不動産会社さんが散見されます。しかし、これでは反響は見込めません。チラシにはチラシの、ネットにはネットの集客方法があることを認識しましょう。
本日の格言
・理論上、チラシ反響は受動的、ネット反響は能動的なケースが多いと心得よ!
・チラシにはチラシの、ネットにはネットの特徴を上手く使って集客するべし!