毎週水曜日配信、「元不動産営業マン梶本の、結果を残す営業術」
業界歴21年、不動産会社専門コンサルタント 梶本幸治さんが、デキる営業マンの心得、成功している不動産会社の特徴を紹介します。
不動産売買、そのなかでも売主の集客には、各社様々なサービスやツールを活用しています。チラシやHPなどの仕入れの手法には、「文字の多さ」が重要だという梶本さん、それはなぜでしょうか?(リビンマガジンBiz編集部)
(撮影=リビンマガジンBiz編集部)
不動産の仕入れ(媒介受託・買取)反響を獲得するため、あなたの会社ではどのような手法を採用していますか?
ホームページ?
折り込みチラシ?
ポスティングチラシ?
ダイレクトメール?
こられの仕入れ手法全てに有効な方法を1つご紹介します。
それは、「文字数を多くすること」です。
購入希望のお客様は「物件の魅力」でしか集客できません。あなたが会社の安心感やアットホームさを打ち出したところで、良い物件を持っている会社には敵いません。こんなことを言うと身も蓋もないですが「買いの集客力=物件の質と量」ですからね。
しかし、売りの反響は異なります。
自社の販売力・安心感・専門知識をしっかりとアピールすれば、競争相手が大手不動産会社だったとしても互角以上の戦いが可能です。
では、どのようにして「販売力・安心感・専門知識」をアピールするか。これは「言葉で訴えかける」しかありません。もちろん、グラフや表、イラストなどを挿入して読みやすくすることも重要です。しかし「文章を読んでもらい納得していただく」ことが肝心だと覚えておいて下さい。
具体的に記載する文書の内容は下記になるでしょう。
・売主様に選ばれる7つの理由
「創業〇年の実績」
「売主さんの希望価格で売りに出します」
など、なんでも良いので必ず7つ、売主様に選ばれる理由を載せましょう。
思いつく範囲で2~3個ではなく、必ず7つ出すことが重要です。
社内で文章を作成する際にも、社員同士の話し合いなどで、新たな強みやサービスの糸口が見つかるかもしれません。7つの理由を見つけることは、売主様へのPRだけではなく、自社の強みを改めて考えるという点でも重要なのです。
・販売実績・取引実績
売主様が気になるのは、「その会社に任せて良いのか」という安心感です。販売エリアの実績を載せ、「このエリアの売却を任せて良いんだな」と思っていただくことが重要です。実績は、あればあるほど効果的です。文字数を気にせずにできるだけたくさん載せましょう。
・買取保証制度の内容
「もし売れなかったとき…」と考える売主様もいらっしゃいます。その場合、買取保証制度の案内は、会社を選ぶうえで安心材料になります。
・お客様の声
HPやチラシにお客様の声を載せている会社がたくさんあります。しかし、名前や写真が伏せられているケースがほとんどです。それが本当なのか創作されたものなのかを判断することは難しいでしょう。
効果的なお客様の声は、営業マンとツーショットの写真を載せることです。
売主様に、掲載の許可をもらい、写真撮影を行いましょう。
・独自のサービス・システム
例えば、リフォームと売買仲介を同時に行っている会社であれば、それを独自サービスとしてアピールしましょう。お客様は不動産に関する知識に乏しい方がほとんどです。当たり前だと思えることも、前面的に押しましょう。
・会社紹介・スタッフ紹介
一般的なスタッフのプロフィールと写真だけではなく、オフショットやスナップ写真を載せることで、仕事をしている姿を売主様にイメージしてもらいましょう。
・取引の流れ
ここまでを読んで、次のように思われる方がいらっしゃるかもしれません。
「文字で書くって言っても、売主様には高齢の方が多いんだよね。高齢で老眼の売主様は文字なんて読まないと思うよ」
「こんなに文章が多いと、全部読む人は少ないんじゃないの?」
その疑問は半分正解で、半分間違いです。
確かに老眼の方は細かい文字を読みづらいでしょう。長い文章は、読む人を選ぶかもしれません。
しかし、老眼の方でも新聞はご覧になりますよね。なぜ、老眼鏡まで使用して新聞をご覧になるのでしょうか?
それは「新聞に記載してある情報を読みたい」という気持ちがあるからです。
つまり、読んでみたいと思う文章であれば読んで下さるのです。デザインも重要ですが、お客様に熱意が伝わるほど、文字数が多いぎっしりした紙面をおすすめします。
キャッチコピーは、ターゲットが狭ければ狭い方が良い!
あなたの会社の「販売力・安心感・専門知識」をアピールする文章を読んでもらうためには、「読んでみたい」と思う気持ちを湧き立たせる必要があります。そこで重要なのが、心に突き刺さる「キャッチコピー」です。
その際に、重要なのは読んでもらうターゲットを具体的にすることです。
・「マンション・戸建て・土地・空き家の売買は○○不動産にお任せください!」
・「空き家のままに放置している実家、そろそろ何とかしようかなとお考えのあなたに△△不動産」
もし、あなたが空き家の処分を考えている売主様だったら、上記2つのキャッチコピーが付いたHPやチラシを見比べて、どちらを読むでしょうか?
1つ目の不動産会社は、マンションや戸建て、空き家といった幅広い分野に対応できるというイメージを与えます。しかし、2つ目の会社の方が空き家に関して専門性があるように感じるはずです。
このように、濃い内容の文章を読んでもらうためには、できるだけターゲットを絞るようにしましょう。
また、文章全体の構成に注意するようにしましょう。
不動産の仕入れ(媒介受託・買取)反響を獲得するための、HP・チラシなどの導線を示しておきます。
①メインキャッチコピーで気を惹く。
↓
②サブキャッチコピーで全体の内容を理解していただく。
↓
③販売力・安心感・専門知識等をアピールする文章を読んでいただく。
↓
④問い合わせを促す文言を挿入し、電話やメール(問い合わせフォーム)Qによる問い合わせへ繋げる。
本日の格言
・仕入れ反響を獲得する鍵は「文字の多さ」であると心得よ!
・キャッチコピーは、ターゲットを絞り込み、一点突破を図るべし!