【動画でわかる】何となくやっていた売却相談会を劇的に変えて案件受託をする方法
売買仲介営業をやっていると、様々な問題にぶつかります。営業、キャリア、社内の人間関係…
誰にも聞けない悩みは売買仲介営業専門のコンサルタント・梶本幸治さんに聞いてみましょう。
今週は売却相談会の改革プランを紹介します。(リビンマガジンBiz編集部)(毎週水曜日更新)
動画は下から↓
問い
売買仲介店舗の店長です。月に一度は売却相談会をやっていますが、なかなか成果が上がりません。こういった相談会の進め方について教えてください。
答え
やり方を大きく変えれば、成果は上がります。予算を組んで、定期的に取り組みましょう。
士業とのコラボセミナーはたいていが失敗に終わる
店長さん、あなたは2つほど嘘をついていますね。
一つは「売却相談会」ですが、そんなものはやっておられないでしょう。本当は売り案件が欲しいのに税務相談会とか、相続相談会という名称でイベントを開催しているはずです。
「売り案件が欲しい」と、言っちゃったら、「何かコイツ、売り欲しがっておるわ」って思われそうなので、オブラートに包んだ名称で相談会をやっておられるでしょう。
それと、もう一つ「なかなか成果が上がりません」と仰っています。
これも、ちょっと違うんじゃないでようか。本当は「全然、成果が上がりません」ではないかと思います。
確かに、全然、成果が上がらないんですよ。士業の先生方とコラボレーションしたイベントは、聞こえはいいのですが、成果は上がりません。
それでも、多くの不動産会社様は不動産税務相談会とか相続相談会と銘打って、随時開催中とか完全予約制とか書いて、何かやっている感じを出すくらいしかできていません。
「随時開催中」で「完全予約制」ということは、やってないのと一緒です。
お客さんが、たまたま、それを見て「ちょうど、不動産に関する税金で悩んでいるから、ここに相談しようかしら」と思うでしょうか。そんなことはほとんどあり得ないはずです。
だから、毎月売却相談会やっているそうですが、実質的には何にもしてないのと同じです。店舗の壁に看板貼りだして、チラシを入れて、お客さんから問い合わせがあったら知り合いの税理士司法書士たまには弁護士も声をかけるかもしれませんけど、これで成果が上がりますか?
これで、成果が上がっているなら、びっくりしませんか?
だからこういう形じゃなくて、もっとズバリ欲しい反響、欲しい相談を前面に出しましょう。私はコンサルタント先の企業様には「空き地・空き家相談会」とか、もっとズバっと「不動産高値売却相談会」を開催していただいています。イベントの名称はこれくらい、わかりやすくしましょう。結構、反響をいただいていますので、参考にしてください。
売却相談会の大改革プランを紹介
では、どんな風に相談会を開催すればよいでしょうか。
開催要領を少しご紹介します。
まず、開催時間は1時間半から2時間ぐらいで2部構成にします。
最初は御社の社員さんや店長さんが講師になり、相続問題や空き地の問題、最近の不動産市況について話しましょう。
そのあとに個別相談にいきます。
個別相談は会場内で各ブースを作っておいて、お客様にその場で不動産売却の相談を受けましょう。一旦、帰って検討いただくとか、アンケート書いてもらって後で追客するんじゃなくて、その場で相談に応じるように徹底しましょう。
そして、これがミソなんですが、開催場所にもこだわりましょう。なんちゃって売却相談会の場合は、おそらく皆さんの事務所を会場になさっておられますよね。
これは、「ホンマに準備する気ないやん」という売却相談にしかならないでしょう。
これを、会場は市民会館とか区民会館、市民ホールとかを借りましょう。
一番いいのは各市町村で成人式で使う会場です。そういった建物の内の会議室などを使えたら最高です。
集客方法は新聞折込をおすすめします。もはや不動産売買に関する広告媒体としては、折込チラシは全然ダメになっています。しかし不動産売却相談会の集客に関しては、まだまだ新聞折込は効きます。
これに加えて、ポスティングを5000枚~2万枚くらいでやってみてください。
もう一つ、自治体が発行している「市民だより」のような広報誌もうまく活用しましょう。広報〇〇市のような月1回は配布されるあれです。小さいスペースの帯広告を出してみましょう。他に回覧板の広告枠もあるようなので、それも検討してみましょう。
ああいった広告枠は市区町村で金額が大きく違うようです。まずは一度、調べてみましょう。
新規のお客様への告知はこのようにしましょう。
大事な狙いがあることを忘れるな
ここから、もう一つ重要なことをお伝えします。新規のお客様だけでなく、もう一つ重要なお客様がいます。
皆さんの手元には、空き地・空き家の所有者様へのDMリストや、登記受付帖で収集したDMリスト、収益物件をお持ちのオーナーへのDMリストなど、一括査定で問い合わせていただいたお客様リストなど、たくさんの名簿があるはずです。
この名簿に対して、不動産の売却に関する相談会のご案内をお送りしましょう。
こうしたリストには案内を発送したうえで、営業担当者から電話をかけます。
「今度、〇〇会館で不動産の高値売却相談会を開催させていただくことになりまして…」
「ご都合がよろしければ一度、ご来場ください」などの文言で十分です。
こういった売り案件のリストに載ったお客様に電話できるって、実は結構、大変なんですよね。
買いのお客様であれば、「よい物件が出ました」と電話できますよね。
売りのお客様は電話しようと思うと、「あれからどうですか?」しか言えません。
毎月、毎月、どうですか?と聞かれても、お客様も答えようがありません。
「先月も電話してきたやないか!そんな状況が変わるか!」と言われるのが、オチですよね。
これが、たまに売却相談会をやっていて、そのご案内の電話ならば自然なかたちで電話ができるはずです。新規のお客様や既存客の復活を含めて、集客していきましょう。
1回あたり5~10組の来場を目標にして、最低でも半年に1回、できれば春夏秋冬で1回ずつくらいの頻度で相談会をやっていただきたいですね。
このような取り組みをずっとやっていけば、新規のお客様をある程度は集めつつ、既存の顕在化していなかったお客様も集客する。
こういったやり方で売却相談会からはそこそこの歩留まりで仕入れができると思います。実際、私のクライアントでも相談会から結構、受託していただいている企業様があります。
この店長さんが仰っておられたなんちゃって売却相談会じゃなくて、一回あたりの開催予算は10万円くらいまで考えて、やってみましょう。