こんにちは。不動産相続ナビゲーターⓇの皆藤一郎です。手残り金額が増えた売却についてのお話をします。
昭和40年代築の古いマンションの一室の売却のご相談を受けました。購入当時は自宅にされていたのですが、家族も増えたので引越しそれ以降は賃貸マンションとして人に貸していた物件です。約10年程住まれていた賃借人が解約し改めて賃貸に出すには結構な原状回復費用をかけなければなりませんでした。
ご主人名義だったものを相続により引き継いだ奥様が持ち主で、ご自身も高齢でありかつ息子さんご夫婦は遠方に居住されていました。そのため費用をかけて綺麗にし、また賃貸を続けていくことにご不安を感じて売却をしようと思われてのご相談でした。
物件は人気エリアにあるマンションでしたので広さもあり築年数も浅ければかなり良い金額で売れるであろう立地でしたが、昭和40年代という相当に古い築年であること、また40㎡台の広さに間取りを2DKで詰めこんだ古いプランで、窓のないDKに巨大なガス湯沸し器があるというお部屋だったのです。
賃貸であるかどうかを問わず、部屋の退去があるとどこからともなく不動産の買取り業者さんが嗅ぎ付けて、登記を調べて所有者へアプローチするということが同じマンション内では度々あったようで、ご相談のあった奥様の元へも夜討朝駆けのように訪れ、「売ってくれ売ってくれ」と迫ってきたそうです。
買ったあと売物にするには相当に手を入れなければならないのは明らかなため、その業者さんが提示する金額もかなり安かったものでした。そのうえあまりにもしつこく家に来られたため奥様はストレスから体調を崩してしまいました。そのような状態を心配した息子さんからの相談が私が関わるきっかけとなったのです。(息子さんの心の叫び「具合を悪くさせられた上に安く売らされてたまるか!」)
依頼を受けた私は、同じ建物内の過去取引の実態と周辺のマーケット調査を綿密に行いました。その結果、ある意味当たり前ではありますが築年の古さと面積の狭さから買取りだと相当買い叩かれるが、立地には魅力があるので綺麗にリニューアルすれば高く売れる!との感触を掴みました。
後編へ続く。