住宅を高く売りたい場合にはコツがあります。不動産仲介業の仕組やどんな業者だと安心して任せられるのか、業者の言いなりにならずに自分主導で、そして高値で売却するにはどうすればいいかを学びましょう。
シリーズ目次
第1回 不動産仲介の仕組
第2回 不動産業者に買い取ってもらうことのメリット・デメリット
第3回 不動産仲介業者の選び方
第4回 不動産仲介の契約の仕方
第5回 査定価格の見方・シリーズまとめ(当記事)
1.査定の方法
① 取引事例比較法
取引事例比較法は簡単に言うと、直近の取引事例をいくつかと比較して当該物件の査定を行うというものです。
過去に取引のあった事例と比べて土地や建物の大きさ、建物の材料や工法、築年数といった基本的な要件について補正をかけ、さらに駅やバス停、小中学校からの距離、設備のグレードや状態などについて加点減点をおこなって算出します。
居住用の一戸建ての場合この方法で査定したものを提示されることが多いでしょう。
② 収益還元法
収益還元法はすごく簡単にいうと、その住宅が生む収益から相当と思われる物件価格を算出する方法です。
居住用の査定というよりは、投資用の物件の査定に使われます。
③ 原価法
原価法は物件の価格から経年劣化分を差し引いた価格の事です。
不動産の査定を行う場合には①~③のどれか一つ、もしくは複数の方法を組み合わせて査定されます。ただ、居住用住宅の場合は①の方法か、①と③を組み合わせた方法で査定していることが多いです。取引事例は近所の家が事例として採用されていることもあり、不動産業者より売主さんの方がその家に詳しかったりすることもあります。どの家が取引事例に採用されているのかをしっかり確認し、自分の家と比較しどこがいい、悪いをしっかりと業者さんに伝えるようにしましょう。
2.机上査定と訪問査定
査定を依頼されてから訪問まで時間があれば、通常、不動産仲介業者は査定書を作って持参します。建物の詳細を見ているわけではないので理論値を求めた机上査定です。
初回訪問時に建物の外周や内部を詳しく見てから査定をするのが訪問査定。不動産仲介業者は他社に先駆けて仲介する契約を結びたいと思っているので、訪問した後に持ち帰って査定しなおし、再度訪問して査定額を提示ということはほとんどありません。口頭で机上査定を若干修正してくれるかもしれませんが、特別なことがない限りは査定の価格が大きく変わるということはないでしょう。他の家と比べて特別何かアピールできるところがあれば訪問前にも積極的にアピールしておくと机上査定時に反映させてくれるかもしれません。
3.まとめ
不動産仲介業者が作成してくれた査定は参考にはなりますが、それに縛られることはありません。売出価格の決定はあくまでオーナーである売主が決定することです。しかし、査定価格は「この価格であれば売れる」であろう金額を示しています。ですから不動産仲介業者には何故その価格になったのか、どんなことがプラス要因でどんなことがマイナス要因なのかしっかり確認しましょう。マイナス要因を修正する手段もあるかもしれないですし、業者にはわからないプラス要因を提示できるかもしれないからです。
また、買主に値引きされないためには短い期間で売ることです。そのためには同じ期間に複数の申し込みが入ることが理想です。値引きを希望している購入希望者に対して他の人に買ってもらうと強気に出られるからです。同じ期間に申し込みを入れてもらうためには売出し時点で適正な価格設定にする必要が有ります。あまり高い値段だと誰も内覧してくれません。
しっかり説明してくれる、きちんとアドバイスしてくれる、売るまでの戦略を持っている。そんな営業マンを選んで売却を依頼してください。