住宅を高く売りたい場合にはコツがあります。不動産仲介業の仕組やどんな業者だと安心して任せられるのか、業者の言いなりにならずに自分主導で、そして高値で売却するにはどうすればいいかを学びましょう。
シリーズ目次
第1回 不動産仲介の仕組
第2回 不動産業者に買い取ってもらうことのメリット・デメリット
第3回 不動産仲介業者の選び方(当記事)
第4回 不動産仲介の契約の仕方
第5回 査定価格の見方・シリーズまとめ
1.査定価格は売却価格には関係ない
今、カフェでこの記事を書いていますが、私の席の後ろで話している年配の女性たちの一人が自宅を売却するようです。聞き耳を立ててみると、「10件ぐらいの不動産屋さんに査定してもらって高く査定してくれた業者さんに売却をおねがいしたら?」と別のお姉さまがアドバイスしています。
しかし、これはあまり意味がありません。査定価格=売却価格ではないからです。でも不動産会社によっては査定価格を実際より高めに提示して売主をいい気分にさせて物件を預かるというところも多いです。
売却価格はあくまで売買の当事者、売主と買主で決めるもの。本来の査定価格が1,500万円の物件に「査定は2,000万円でしたからウチで売りましょう」と言って、ホームページや新聞折り込みのチラシに出したとしても、問い合わせすら来ないという状況になってしまいます。
最低限ホームページやチラシを見た購入希望者から問い合わせのある物件価格にしなければ意味はありません。
また、高い売却価格を設定したままでいつまでも売れないと、結局値段を下げて売るしかないのですが、長い間売れていないと、購入希望の人たちは毎日ホームページを確認したり、チラシも必ず確認するので、「売れ残りの物件」と思われてしまうリスクがあります。そうなると本来売れるはずだった値段より安い価格でしか売れなくなってしまいます。
また、適正な価格の、売り出し初めの物件は一度に何件もの購入希望者が内覧します。そうすると、実際に購入を決めたときに、値引きされにくい、値引きの提案を断りやすくなります。「あなたに買っていただかなくても買ってくれる人はいますよ。」と不動産業者も強気に言えるからです。このように当初の売出価格というのは最終的な売却価格に及ぼす影響が大きいのです。高すぎても安すぎてもダメです。
2.どんな営業をしてくれる?
不動産仲介業者がどんな営業をするかもきちんと確認しておきましょう!いつ広告に出してくれるのか、いつホームページに出してくれるのか、すぐに声をかけ、内覧していただけるお客様は何人ぐらいいるのか、反響がない時にはどうするかなど質問しましょう。ここで誠実に答えられない不動産仲介業者さんはやめておきましょう。
3.物件のいいところと悪いところ知ってる?
査定には根拠があるはずです。近隣の取引事例などがそれですが、物件のいいところ、悪いところをきちんと把握してくれない営業マンは売るのもヘタです。デキる営業マンならじっくりと売却物件を観察し、査定価格を提示するころにはいいところ、悪いところを把握できているはずです。思い切って「この家について説明してください」と言ってみましょう。そして、それがどう査定価格に反映するのかも聞いてみましょうね。