目次
1. 頭金を入れることの功罪
2. 住宅ローンの種類によって考える
3. 家庭の収支、今後のイベントから考える
4. 貯蓄・運用から考える
5. まとめ
1. 頭金を入れることの功罪
1-1. 頭金を入れるメリット
4,000万円の住宅を購入する時、手元に1,500万円あったらあなたならいくら頭金を入れますか?
住宅ローンの金利が1.5%、35年ローンを利用する場合、頭金の金額によっての違いは以下のようになります。
頭金 |
住宅ローン利用金額 |
総支払額 |
1,500万円 |
2,500万円 |
4,715万円 |
1,000万円 |
3,000万円 |
4,858万円 |
500万円 |
3,500万円 |
5,001万円 |
0万円 |
4,000万円 |
5,143万円 |
頭金1,500万円を入れた時と頭金を入れない場合の総支払額の差は約430万円です。この支払額の差がメリットになると言えます。
1-2. 頭金を入れるデメリット
頭金を入れるデメリットは今使えるお金が無くなることです。例えば来年大学に進学するお子さんがいるときに住宅の頭金で貯金を使い果たしてしまって、入学金や授業料が支払えないとなる可能性があります。支払額の面でのメリットと今使えなくなるデメリットを比較して考える必要があります。
2. 住宅ローンの種類によって考える
住宅ローンの中にはフラット35のように住宅価格の9割以上の住宅ローンを利用すると金利が高くなるものもあります。金利の安い住宅ローンを利用したい場合には頭金を1割以上入金する必要が出てきます。
3. 家庭の収支、今後のイベントから考える
家庭の収支が毎月大幅にプラスになるようなら思い切って手元資金を全部頭金に回してもよいかもしれませんが、何かの時の備えとして100万円~200万円(ご家庭の状況により金額は変わります。)を手元に残して頭金の額を決定すると安心です。また、今後お金のかかるイベント、進学、結婚式、車の購入などが控えている場合にはそれらの資金を除いたうえで頭金を設定しましょう。
4. 貯蓄・運用から考える
みなさんの貯蓄の利率は何パーセントですか?2017年1月現在、普通預金の金利は0.001%の銀行が多いようです。しかし、運用の仕方によっては毎年10%もの利回りを得られる金融商品もあります。もちろんリスクの低減をする必要があるので、むやみに投資をお勧めするわけではありませんが、1,500万円もの貯蓄をするのには時間がかかりますし、我慢もしなければならないかもしれません。10%とは言わなくても、比較的安全に資産を殖やせるのであれば、頭金を少なくしてその分住宅ローンを利用したとしても、殖やした資産が住宅ローンの支払額を上回るのであればそのほうが家計にいいに決まっています。ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しながら検討してみると良いでしょう。
5.まとめ
住宅購入で頭金はいくら用意すべきかは住宅ローンを利用する条件として1割以上の頭金が必要とある場合、また住宅ローン借主の借入可能額が住宅購入に必要な金額に届いてない場合以外は全くの自由です。いくら頭金を投入するかは、住宅ローンが借入である以上、金融の知識や経験によって判断すべきものです。不動産業者や住宅メーカーはローンが通りやすくなるようになるべく多く頭金を投入してもらおうとします。銀行は貸付金額が多い方が金利や手数料を稼げるのでなるべく頭金を少なくしてもらおうとします。どちらが良いのかは借りる側の都合で判断すべきことです。自分で判断できなければ借りる側の味方になってくれる、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しながら検討してみましょう。