東京23区内の「築40年超」の中古マンション価格を以下の条件で比較しました。調査対象は2017年2月5日時点でSUUMOに掲載された物件です。
売出価格の上位5物件は以下のとおりです。
1位: 1億8000万円(159.3平米、港区、東京メトロ南北線「麻布十番」徒歩8分)
2位: 1億5800万円(246.85平米、港区、JR山手線「品川」徒歩6分)
2位: 1億5800万円(128.70平米、港区、東京メトロ南北線「麻布十番」徒歩9分)
4位: 1億4980万円(129.64平米、港区、東京メトロ半蔵門線「表参道」徒歩5分)
5位: 1億3800万円(165.52平米、港区、都営大江戸線「赤羽橋」徒歩7分)
上位5物件はいずれも港区所在の100平米超「億ション」です。1981年施行の新耐震基準が適用される前の物件で竣工から40年以上経っているにもかかわらず、1億円超の価格で売出されています。いずれの物件も一等地に立地するため、建替え後の価値も考慮されていると思われます。
売出価格の下位5物件は以下のとおりです。
1位: 550万円(21.6平米、板橋区、都営三田線「高島平」徒歩13分)
2位: 600万円(27.41平米、板橋区、東武東上線「上板橋」徒歩17分)
2位: 600万円(23.42平米、墨田区、京成押上線「京成曳舟」徒歩5分)
4位: 680万円(26.06平米、品川区、JR横須賀線「西大井」徒歩9分)
4位: 680万円(29.16平米、足立区、東京メトロ千代田線「北綾瀬」徒歩11分)
下位の物件はいずれも30平米以下の住戸です。売出価格が700万円未満であることを踏まえると耐震補強が行われていない可能性が考えられます。
類似物件の賃料を月額5万円と仮定した場合、40年間の賃料は2400万円(5万円×12か月×40年)です。売手の立場からみれば、いずれも既に「元を取った」物件ではないでしょうか。一方で買手は、「あと何年住めるか」という観点から価格の妥当性を考えることになります。類似物件を月額5万円で賃借できるのであれば15年程度住めないと買う意味がないでしょう。
築古マンションの価値は大幅に低くなりますが、立地に恵まれていれば相応の価格で売却できます。また近隣の類似物件と比較して割安感のある価格設定にすれば、あまり条件のよくない物件でも売れる可能性が高まります。既に元を取ったという認識であれば、価格を下げて処分することも一案です。