不動産の買手がこだわる点は年齢、性別、職業、家族構成などにより異なりますが、概ね以下の特徴が窺われます。
1.主婦
物件購入のイニシアティブを握る主婦は、おもに「家事」、「子育て」、「見栄え」の観点から評価します。この3点で満足度が高ければ、駅から遠い物件でも気に入る可能性が高いでしょう。とくに専業主婦は通勤しないため、駐車場が完備された物件であれば駅チカをあまり重視しません。
2.サラリーマン
サラリーマンの夫の場合は、通勤の「利便性」と住居としての「快適性」を大切にします。教育環境が良く、広く使い勝手の良い家でも利便性の劣る物件は嫌がります。もっとも物件購入のイニシアティブを妻に握られている人が多いため、最寄駅までマイカー送迎しやすいことをアピールできれば納得する可能性が高まります。
3.子供
小学生以下の子供は、「ユニークな要素」のある物件を好みます。ロフトや屋根裏部屋のある住戸は男子に好まれます。女子はかわいい、おしゃれといった観点から評価します。壁紙や照明などを自由にアレンジできることを理解すれば、それだけで納得する可能性もあります。中学生以上になると男女とも個室の「プライバシー性」をもっとも重視します。
4.単身者
単身者は通勤の「利便性」と住居としての「快適性」を重視しますが、とくに女性は「見栄え」の良さも気にします。このためデザイナーズマンションやタワーマンションが好まれます。男性は築数十年の物件を安く買い取って自分好みの部屋にリノベーションすれば良いと考える人も多いですが、女性は男性と比べ物件全体のイメージにこだわります。
5.外国人
外国人は高級物件を購入する層と格安物件を求める層に分かれます。前者は「利便性」、「快適性」、「見栄え」を徹底的に追求します。とくに投資目的の人は、安定的に高収益を狙えるハイグレード物件を好みます。一方で後者は「価格第一主義」なので多少難のある物件でも我慢します。
不動産を売却するときには買手が重視する点を把握して、そこを上手くアピールすることが大事です。言い方を変えれば、売却物件のセールスポイントに反応する人を探して売り込むことが売却を成功させるカギとなります。