一般的にマンションは買ったその日から価値が低下すると言われています。しかし、中にはあまり値下がりしなかったり逆に価格が上昇したりする物件もあります。こうした物件には以下の特長がみられます。
1.立地に恵まれている
都心部や駅チカに立地する物件は利便性が高く再開発余地も大きいため、相対的に値下がりリスクが小さいと言えます。逆に駅から遠い物件は苦戦を強いられます。高級住宅街として知られるエリアでも駅から遠ければ値下がりする可能性が高いでしょう。人口減少と高齢化という構造問題があるため、利便性は物件価値を決定する最も重要な要素となります。
2.景観に恵まれている
同じ立地でも景観に恵まれていれば高く売れます。とくにタワーマンションには、その傾向が強く窺われます。富士山、東京タワーなどのランドマークがよく見えれば、その分プレミアムがつきます。
3.災害に強い
地震、台風、火災に強いこともプラス要素になります。強固な地盤や高台の上に建っている、耐震・防火等に関する高度な技術を用いているといった物件には安心感があります。新築よりも築後数年の物件の方が天災に耐えた実績があるため信頼できるとも言えます。
4.ブランド価値が高い
デザインに特徴があり芸術的な価値が高い、有名建築家の代表作の1つである、地域のランドマーク的存在といった物件はブランド価値が広く認識されています。このため相当な築古でも一定の需要があります。青山にあった同潤会アパート(現在の表参道ヒルズ)が好例です。
5.手入れが行き届いている
きれいで手入れが行き届いていればリノベーションコストが低くなるため、相対的に高値で取引されます。ただし築20年以上の物件はフルリノベーションの可能性が高くなり、住戸内の状態はあまり価格に影響しません。
6.リノベートしやすい
面積が広い、住戸の形が整っている、天井が高いなどリノベートしやすい条件がそろっている物件は、高く売りやすいでしょう。とくに天井高は重要です。エアコンや照明などの機材を天井に組み込みスッキリとした住戸に仕上げることも可能になるため、大きなポイントになります。
日本の住宅市場には根強い新築信仰があります。このため中古物件は安くなりがちですが、特長点を上手くアピールできれば相対的な高値で売却することも可能です。