毎週金曜日配信、「人生の上がり3ホール、賢いシニアのお金の話」
お金・資産運用のプロ 中村伸一さんが「ヤングシニア」向けの資産運用や、老後資金に関してのノウハウを、ゴルフ要素を交えながら伝授します。
今回は、ふるさと納税に関してのお話です。(リビンマガジンBiz編集部)
第0打:コースマネージメント ふるさと納税の仕組み
14番は池越えのショートホール。グリーン奥にはバンカーが待ち構えています。
Aさんは、フォローの風を考え、ユーティリティ4番を使い、グリーンセンターへ置くことを意識しました。
(画像=写真AC)
最近、流行りのふるさと納税。すでにはじめているヤングシニアの方も多いのではないでしょうか。ご自分の出身地や応援したい自治体に寄付をして、そのお礼としてその自治体の名産品や特産品をもらえるという、とても簡単な制度です。
さらに寄付後確定申告をすると2,000円を超える部分で寄付した年の所得税から、また住民税は翌年から控除されます。さらにサラリーマンの方は、面倒な確定申告がいらない「ふるさと納税ワンストップ制度」が使えるケースもあります。
第1打:実際の申請の手順
ティーを高くしてフォローの風にのせることを意識してのティーショット。ヘッドが少し下から入り、ボールが打ち上げられ、グリーン手前のバンカーにつかまってしまいました。
ふるさと納税を申し込む方法は意外と簡単です。最近では、ふるさと納税の民間サイトがいくつかありますから、そこを使って申請をすると流れに沿って申し込みを進めることができます。
まず、自分のふるさとや、返礼品の魅力的な自治体などの視点から、寄付する市町村を決めます。そして寄付を行い、自分の住所、氏名などを自治体に通知します。
その後、自治体から寄付のお礼として、地元の名産品や特産品が送られてきます。証明書も送られてきますので、必ず残しておきましょう。
年が明け、確定申告をするとしばらくして税金が返ってきます。仮に3万円寄付した場合、3万円-2千円=2万8千円が翌年の住民税から還付または控除されます。
ふるさと納税は、1年に何度もすることができ、実際いろいろな自治体に申し込んでいる人も多いようです。
第2打:確定申告が必要?不要?
第2打は、バンカーからのリカバリーショット。左足上がりなのでそれほど難しいバンカーショットではありません。うまくボールの下をくぐらせたAさん。ピンそば2メートルに付けました。
最近「ワンストップ納税制度」ができました。これは確定申告が不要になる制度で、サラリーマンなど税務署に行ったり、e-Taxを使って確定申告をするのが面倒だ、という人にはもってこいの制度です。
ただし、この制度を使える条件は、
①ふるさと納税先が5か所以内の人
②確定申告をする必要のない人(会社に所属する給与所得者など)
③寄付金控除にかかる申告特例申請書をふるさと納税先に提出すること
の3つ満たす必要があります。
確定申告をしないで済むというのは、大きなメリットかもしれません。2016年に総務省が実施した調査では、約34%の人がワンストップ納税制度を利用しているという結果が出ました。
(画像=写真AC)
第3打:最近のふるさと納税の様子
人気のふるさと納税ですが、最近少し気になる記事が、日本経済新聞に載っていました。それは、「返礼品バブル」の崩壊です。
総務省は、行き過ぎたふるさと納税の獲得競争の結果、返礼品が豪華なりすぎているとして、4月に通達を出しました。内容は寄付金のうちどの程度を返礼品に充てたのかを表す「返礼率」を従来は6割だったのを、3割以下にするように、というものでした。
返礼品目当てで寄付をする人たちからすると、この指導は「大きなお世話」です。ふるさと納税本来の趣旨からかけ離れていた事態を少し落ち着かせるのが、この通達の目的でした。
しかし、未だにふるさと納税は魅力的です。手間は少しかかりますが、先述した通とおり、ふるさと納税のサイトを使えば、手続きもさほど負担になりません。ヤングシニア世代の方々は、大いにこの制度を活用し、お得にスマートに、はじめてみるのも良いのではないでしょうか
残り2メートル若干のフックライン、Aさんはしっかり読み、パーで上がりました。