こんにちは。ファイナンシャル・プランナーの岩永真理です。

東京五輪を見越して、湾岸マンションを爆買いした中国人は、その後どうしているのでしょうか。

狙った賃貸料はとれているのか、期待通りの水準に資産価値は上昇しているのか、

そして五輪終了後には一気に売りにでるのか、

動向が気になるところではあります。

■中国人はみな爆買いばかりなのか?

一方で、日本で働いている中国人もたくさんいます。

法務省2016年統計よると、在留外国人231万人のうち68万人が中国人で、およそ3割を占めています。

更にその在留中国人のうち約3割以上(23万人)が永住権を持っています。

永住権を持つ中国人は、上述のような五輪効果の投機目的で住宅投資をするよりは、

本人や家族の居住目的で住宅購入を検討することも多いといえます。

在日外国人は、都心エリアの在住者も多く一般に家賃が高いため、

形に残らない家賃を払うよりも日本で家やマンションを買おうと思うことは、彼らにとってもごく自然なことです。

また、日本という労働市場は自国にいるより成功の機会や可能性もある場合もあり、

留学で来てそのまま就職というケースもあります。


なぜ敢えて外国人なのか

分譲マンションなどで外国人が多いと、マナーが悪くて資産価値が下がるのではないか、

と心配される向きもありますが、大手デベロッパーなどは販売時の外国人入居比率を概ね3割を上限にするなど、

ある程度の配慮をすることもあるともいわれています。

確かに言葉や習慣が異なるため、マナーについては管理組合や地域住民が

その都度注意をする必要があるかもしれませんが、実際日本の人口が減少に転じてくる中で、

外国人とはいえ住宅購入の需要を掘り起こしてくれる一員として考える必要があるのではないでしょうか。

これは何も住宅購入に限ったことではなく、今後の日本の社会構造を考えれば、

未来の経済成長のために外国人労働者は不可欠な部分もあり、この傾向は続く可能性が高いでしょう。

むしろ外国人が既に一定数いるマンションでは、住民が外国人慣れしている、

外国人にとっては住みやすい環境ということにもなり、売り手サイドから見れば必ずしも悪いこととは言えません。

買い手となる外国人は中国人が多数と思われるので、彼らが住宅購入をする条件を考えてみましょう。


中国人は日本で住宅ローンが組めるのか

在日中国銀行(Bank of China)とスルガ銀行で扱いがあるようです。

スルガ銀行は永住権のある人が対象で、日本語での契約ですので日本語能力が必須ですが、

中国銀行では中国語ですべて手続きができ、永住権がなくても、一定の条件のもとに借入は可能です。

その他の邦銀でも、日本での仕事歴や居住歴、今後の収入予想などで審査に応じるところも出てきているようです。

銀行審査に通る中国人であれば、販売する立場から見れば申し分ないでしょう。

彼らにとっても、日本で住宅を購入しているということは、一種の社会的信頼にもつながり、

日本で更に頑張っていくためのモチベーションにもなっているようです。


中国人にとって魅力的な物件とは?

外観や見た目に惹かれるのはどんな民族でも同様ですが、中国人は見た目が派手であるほうが気に入られる確率は高いようです。

次に彼らが評価するポイントは、デザイン、日本の管理ノウハウ、ディスポーザーなど設備が整っていること、

居住者のモラルの高さ

などが挙げられます。

つまり、中国人に対しても購入してもらいたい顧客として裾野を広げるのであれば、

1.見た目や内装のデザインを工夫

2.設備が充実している

3.管理体制がしっかりしている

とよいということになります。

また、最近畳の部屋を持たないマンションが増えていますが、外国人にとっては、せっかく日本にいるのだから、

と敢えて畳の部屋のある物件を購入する人も中にはいるようです。

日本人のライフスタイルも多様化する中、外国人を顧客として想定することは、日本人にとっても魅力的な物件づくりにつながるでしょう。

今後は幅広い客層を想定し、柔軟に対応ができる販売力が求められるでしょう。

 
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