米トランプ大統領が就任してちょうど1か月が経過しました。
大統領令の連発で早くも物議をかもしています。
全米中のデモも未だ各地で続いています。
トランプ大統領は米国のような大国の大統領としての品格を疑問視する声は多いですが、
一方でビジネスマンとしては幾度かの失敗を経てもなお立ち直り、
一部の民心をつかむことで大統領の座を勝ち取ったことも事実です。
三度の結婚をしていますが、現在の夫人メラニアさんは24歳年下であり、
歴代大統領夫人の中でも、最も若くて美しいファーストレディであることには違いありません。
アメリカは実にわかりやすい国です。
お金を持っているものが強者、持っていないものが弱者です。
そしてお金持ちの男性(=強者)には、年齢に関係なく必ずといっていいほど美女が寄り添うものです。
映画の中だけの世界ではなく、まぎれもなく現実の話です。
トランプ氏が強者になった背景には、不動産王になったことも影響しています。
そしてその不動産の所有の仕方にも、「わかりやすさ」があります。
■トランプ氏は長者番付で何位なのか?
アメリカの経済誌「フォーブス」が2016年10月にアメリカ長者番付を発表したところによると、
マンハッタンの不動産の評価額が下がったことなどから、トランプ氏は156位(去年121位)に転落し、
保有資産は37億ドル(去年より8億ドル減、約3800億円)でした。
ちなみに23年連続の1位は、
アメリカのソフトウエア大手「マイクロソフト」創業者のビル・ゲイツ氏の810億ドル(約8兆3200億円)です。
全米規模の長者番付で見れば、アメリカファーストの戦略家も長者番付ではファーストではないようです。
■トランプ氏の所有物件はどんな物件なのか?
トランプ氏が不動産業にかかわるようになったのは、父親が不動産開発業を行っていたことがきっかけです。
父親は堅実な不動産ビジネスを行っていました。
今でもトランプ・オーガナイゼーションは、株式非公開の複合企業です。
にもかかわらず、全米や世界にその名を知らしめるようになった要員の一つは、
父親とは対照的に、自らの名を冠した象徴的で大規模な不動産を所有、開発してきたからでしょう。
最も象徴的なのは、トランプ・オーガナイゼーションの本拠地ニューヨークでの、五番街に建つ高層ビル「トランプ・ワールド・タワー」です。
ニューヨークの中でも、賃料も高額で、有名なスポーツ選手が居住していることはよく知られています。
「トランプタワーに住まう」ことは、トランプタワーに住める、つまりアメリカンドリームを体現した成功者の証でもあるのです。
他にも高級ホテルのオーナーシップを提供する「トランプ・タワー・ワイキキ」や、
ゴルフコース「トランプ・ナショナルGCロサンゼルス」などの共同事業やライセンス契約なども含めた不動産や商業施設があります。
アメリカ国内の不動産の建設・所有は、ラスベガスやニューヨーク、ワイキキ、アトランティックシティなど、
いわゆる超都心や観光地などの好立地に限定していることがわかります。
■トランプ氏から学ぶ不動産術とは?
移民を受け入れ、人口増加が見込めるアメリカと、急速なスピードで少子高齢化している日本とは社会構造が違い、
国土の広さも違い、不動産に対する背景が大きく違うため、同じレベルで語れるわけではありません。
しかし、トランプ氏の不動産術から我々も参考にできること、それは立地ファーストではないでしょうか。
むしろ人口減少社会に突入しているからこそ、立地にこだわる必要があるのかもしれません。
内外装はあとからいくらでも修正できますが、立地は絶対に変えられないからです。
今後、我が国で少子高齢化が進むと、不動産の必要絶対数は減る傾向にあります。
土地や不動産は人気があるものとないものの二極分化が更に顕著になってくることが予想されます。
その中で生き残れるのは、立地のよい物件ではないでしょうか。
株式・為替相場はトランプ大統領の言動に伴い、揺れ動いてきました。土地・不動産も今後もその影響を受けるでしょう。
立地のよい物件は価格が上がる可能性もありますが、立地の悪い物件はタイミングを見ながら整理されるのがよいのかもしれません。