こんにちは。ファイナンシャルプランナー・宅地建物取引士の岩橋栄子です。
今日は、他人に貸し出されている為に利用方法が制限されている土地を相場価格より上げて売却した事例を紹介します。
<自由に土地を使えない借地権付きの不動産とは>
他人に貸し出されている土地、すなわち借地権付きの不動産、は所有者が自由に土地を利用出来ないでいます。そのため、価値は低く、よって売却価格も低いのが現状です。この借地人の権利(借地権)は、場所によっても異なりますが、借地割合が設定されているのが普通です。
借地割合が設定されている場合、例えば土地所有者の権利(底地権)が4割設定されている場合でも、4割相当の価格で第三者に売れることはなかなかありません。なぜなら、やはり借地人がいるために自由に土地を使えないからです。
<相談事例>
私が相談を受けたのは、相続により農地を取得しましたが、その土地に複数の小作人がいるが何とか売却できないか、という事例です。相談者によると、地代収入はわずかですが、固定資産税がそれを上回っているので、この機会に売却し現金化したい、とのことでした。
<借地権付きの不動産を整理する>
私は、地代収入より固定資産税が上回ってしまうと、毎年赤字になってしまい、ライフプランがたてにくくなり将来的に困るのでなないかと思い、借地に強い私の知り合いにこの相談事例を持ちかけました。知り合いは、小作人に土地の買い取りを持ちかけてくれました。買い取ってくれる人もいましたが、拒否する人もいたそうです。
ここで、こうした借地権付きの不動産を整理する方法には、地主による買い取り、借地人による買い取り、第三者への単独売却、第三者への共同売却、等価交換の5つの方法が考えられます。
そこで、知り合いは、土地所有者も借地人も、双方にとってメリットがあり、幸せになる方法のひとつとしての、底地権と借地権を第三者へ共同売却という方法で交渉し、小作人の権利を整理しました。
その結果、幸運にも土地の価値が上がり、売主にとっても借地人にとっても良い結果となり、売却金額を売主と借地人とで分配出来ました。めでたし、めでたし。