「建物は管理を買え」
の続きになります。
前回は清掃に関しての例をお話させてたいだきました。
これは見た目の問題でしたが、建物の設備や躯体の状態に関しても同様の傾向があります。
建物オーナーや管理会社がどれだけ気を使ってきたかで、そして実際に投資をしてキチンと補修や交換などをしてきたかで、
20年後、30年後の状態は全く違ってきます。
積み重ねとは恐ろしいものです。
今日、明日に変化のないものは放っておきがちですが、20年経てば
「あの時、早めに手を打っておけばよかったのに」
ということになります。
前回、人の感覚は優れていて変化を感じ取れると申し上げましたが、実はそれが逆に騙されやすい原因にもなってしまいます。
世の中には言葉は悪いですが
「ぼろビルを安く買って、高く転売して儲けよう」
という商売もあります。
どうするかと言えば、リニューアルしてキレイにして売りに出すというのが一つの方法です。
真っ当な業者、投資家なら見た目はもちろんですが、給排水設備や空調設備、躯体の防水など調査して必要なら手を入れます。
ところが、費用を最小限に抑えて、エントランスや正面だけ塗装するとか、目につくところを綺麗にしただけ、という物件もあるわけです。
「リニューアル済み物件!」としてお買い得なのか、実はそうではないのか
見分けがつくでしょうか
後々お金のかかる設備の一つに「エレベーター」があります。
正直なところエレベ-ターの状態は一般の方には見た目ではわかりません。
それまで、POG契約だったのか、フルメンテナンス契約だったのか、メンテナンス会社はメーカー系か独立系か・・・
そんなところから探っていきます。
エレベーターは部品の生産、供給がある時期になると終了してしまうことがあります。
売却前にそんな時期を迎えていたとしたら・・・
前オーナーは手を付けてない可能性が高いと考えられます。
お金はもちろんかかりますが、リニューアル中は使用できないということも大きな負担になります。
エレベーターのリニューアルについては、また別の機会に詳しくお書きします。
「建物は管理を買え」
建物を買うときはもちろん、借りるとき、管理する場合、そして売却するときも
意識したい言葉です。