東京商工リサーチが公表する「社長が住む街ランキング」。社長が住む街を知ることで、今後の不動産価格や不動産を見る際のポイントがつかめるようになるかもしれません。そこで、近年、社長が住む街にはどういった傾向があるのかを解説し、そこから垣間見ることができる不動産価格動向を解説したいと思います。
■都心回帰が著しくなってきている
人口減少やバブル崩壊後から見れば全国的に見て地価が下落していることもあり、社長が住む街にも異変がでてきています。バブルの頃には田園調布や成城といった地域が人気を呼びましたが、現在では赤坂や代々木といった地域に住む社長が断然多くなっているのです。
これは、仕事も家庭も、できるだけすべて近くで過ごせるようにしたい思いが強まっていること、またバブル時に比べると高層マンションなども増え、都心に住みやすくなっていることが理由として考えられます。
こうした都心(中心部)回帰は、人口減正という観点からも今後大都市を中心に地方都市でも進んでいく可能性があります。また、地方都市では特に、子育て環境のよい街や、再開発で人気が出てきている街などに人口が集中する可能性があります。
■今後も人気を呼ぶ地域は不動産価格も高くなりやすい
当然ながら、こうした人気のエリアでは今後も不動産価格は上昇ないしは横ばいが続くものと想定されます。社長が住む街ランキングはそういう意味で不動産動向を見るバロメータとしても利用できるのです。また、社長をはじめとした富裕層は単純に中心部だけではなく、交通の利便性、災害に強い街を好む傾向もありますので、不動産を買うときには参考となります。
不動産による資産保全、資産運用を考えた場合には、ご自宅を移すのはなかなか難しいでしょうから、こうしたエリアへの不動産投資を行う、相続対策としてこうした地域の不動産を購入し賃貸に出すといった方法が無難です。もちろん、人気のエリアに自宅を購入し、更に人気が出てきたころに、不動産を売却するのも一手でしょう。
今後、不動産価格は二極化に推移することが想定されます。すなわち、人気のないエリアは価格下落が続き、人が集まる地域は地価上昇も見込めること。こうした動きを見るためにも、社長が住む街ランキングを追ってみると流れがわかるようになるかもしれません。