国土交通省が3月3日に公表したデーター(※1)によると、今年2月の全国の不動産価格指数(住宅)は2010年=100でスタートした指数が106.7となり24ヶ月連続で上昇しました。とりわけ、マンション価格の上昇が顕著で129.0で45ヶ月連続の上昇となりました。
マンション価格は、2010年から約6年で3割弱の上昇しており、価格の上昇により割高感が台頭してきており、売れ行きに陰りが出ているようです。
今後、不動産価格が昭和末期のように上昇の一途をたどるとするならば?価格の上昇によるキャピタルゲイン(値上がり益)が見込まれ、不動産投資の醍醐味を存分に堪能できるでしょう。
しかし、「不動産バブル」でも再来しない限り、今後不動産価格が上昇の一途をたどると考えるのは甚だ疑問があります。ということは、現状の不動産投資環境においては、「キャピタルゲインを期待して投資をする」のには無理あり、現状において幸か不幸か不動産価格が上昇の一途をたどっていたとしても、いずれ価格調整が起きないとも限りません。
現状における不動産投資の魅力とは、「家賃収入を得る」というインカムゲインが主流になります。そこに着目した販売業者は様々なセールストークを駆使して勧誘行為をおこなっています。
代表的な不動産投資のセールストークとして、
* 「節税対策」
* 「相続対策」
* 「インフレ対策」
* 「安定した家賃収入」
* 「老後の私的年金作り」
* 「不労所得」
* 「資産の分散」
* 「生命保険の代用」
などのキーワードが用いられています。
それぞれのセールストークは、個々の項目でみれば「不動産投資の魅力」として挙げられますが、すべての項目がすべての人に当てはまる訳ではありません。判っているつもりでも、ついつい自分に都合よく解釈してしまいがちです。
セールストークは、「買って欲しい」という意図を持った情報提供であり、購入者にとって必ずしも最適な情報提供とは限りません!
この情報により、購入者にとって都合の良い解釈に基づく錯誤や誤解に陥ってしまう懸念さえあります。そのため、セールストークをそのまま鵜呑みにせず一呼吸置くとともに、中立的な専門家や組織・団体などに助言を得ながら検討しましょう。
不動産投資の投資金額は、決して少ない金額ではありません。「失敗した!」と投資を始めてから後悔するような事態に陥ってしまってもあとの祭りです。十分な情報収集および慎重な判断のもとおこないたいものです。
※ 1 国土交通省:不動産市場動向マンスリーレポート(平成29年2月分)
http://tochi.mlit.go.jp/?post_type=generalpage&p=15694