私は都内在住の「元不動産関係者」です。
現在はコンサルティングを中心に活動しておりますが、まだ不動産業界の方とのお付き合いも多く、様々な情報に触れる機会があります。
その中から、お役に立ちそうな情報をお伝えしていきたいと思っております。
2011年の東日本大震災を境くらいに、やたらと「マンション経営」の営業電話がかかってくるようになりました。
営業畑も長かったこともあり、どちらかと言うと聴き上手な方だと自負しておりますので、かかってきた時に時間の制約がなければ、向学のために話を聴くようにしています。
ひと通り話を聞いた後で、しっかりとお断りする電話の向こうの営業マンにとっては、とっても嫌な奴なのですが・・・。
お付き合いがあった、新宿区西早稲田にある不動産業者さん。その業者さんは、最寄り駅から徒歩10分近くかかる立地なのですが、しっかり売上を確保されています。その理由を教えてくれたのは、出入りしているマンションオーナーさんでした。
早稲田という場所は、あの早稲田大学のお膝元です。
毎年1万人程度の学生が入学する早稲田大学の学生が、最大のお客さん(入居者)なのです。
学生のうちの4年間は、かなりの確率で同じ物件で生活する大学生。
4年間は安定した収益を確保できるということになります。大学院へ進むとなれば、さらに2年間延長されます。
つまり、新規入居+更新1回(院生になれば2回)の優良入居者です。
そして、ここからが面白いのですが、4年次の3月までではなく、少し早めに退室するケースがほとんどだそうです。
すなわち、ほぼ空室期間がない状態で、次の新入生を入居させることが出来る訳です。
推薦入学者が決まる12月後半から、普通入試の合格発表があるこの時期は、退出済みの部屋をすぐ綺麗にして、新入生を迎えるそうです。
駅から離れていても大学のそばという「立地条件」が、収益を上げる大きな要素となっている例です。
早稲田大学という、超ブランドだからこそかもしれませんが、ナルホド!と思わず唸ってしまったことを、この時期になると思い出します。