住宅ローンコンサルティングを行っている株式会社FPアルトゥルの井上です。住宅ローンを新たに組む場合や借り換えを行う場合に、住宅ローンの種類をどうすべきなのか、という相談はとても多いです。今回と次回の2回にわたり、変動金利、固定金利、固定期間選択型金利のどれを選ぶかについて考察していきます。前半の今回は「変動金利、固定金利、固定期間選択型金利」の特徴、現在の金利水準についてまとめます。
金利タイプの3種類
住宅ローンには変動金利、全期間固定金利、5年固定金利、10年固定金利といった種類があります。
変動金利は6カ月ごとに金利が変わる住宅ローンです。金利が上昇し返済額が増えてしまうリスクがある反面、当面の金利は低いです。全期間固定金利は返済終了まで金利が変わらないタイプの住宅ローンです。金利が上昇することがない反面、当面の金利は高くなっています。
5年固定金利というのは例えば35年の返済期間のうち最初の5年間は金利が固定され、6年目以降の金利はその時になってみないと分からない、というものです。10年固定金利は最初の10年は金利が固定され11年目以降の金利はその時になってみないと分からないというものです。変動金利ほどではないですが、金利上昇リスクがあり、全期間固定金利よりも金利は低く(変動金利よりは高く)なります。5年固定と10年固定が代表的ですが、その他に3年固定や15年固定、20年固定、30年固定等もあり、これら当初一定期間だけ金利が固定されるものを「固定期間選択型金利」と呼ぶことがあります。「固定」とついているからか、10年固定金利を選んだ人が「自分のローンは金利がずっと変わらない固定金利だ」と思いこんでいるケースもよく見かけます。
金利の現状
次の表は変動金利、5年固定、10年固定、全期間固定の金利をいくつかの金融機関で比較したものです(新たに住宅ローンを組む場合の金利です。借り換え用はもう少し金利が下がる場合があり、弊社でコンサルティングをする場合にはその辺りも加味して比較、試算しています)。
一般的には変動→5年固定→10年固定→全期間固定、と金利は高くなりますが、キャンペーンで10年固定金利を大きくさげるB銀行のようなところもあります。また上記は「新たに住宅ローンを組む」場合の金利ですが「住宅ローンの借り換え」では金利を大きくさげてくるところもあります。
またこの表からは、どの金利タイプを各行が推奨しているかも読み取れます。A銀行は「全期間固定金利」タイプの金利を低く(期間限定のキャンペーンです)し、ここに顧客を誘導しているように感じますし、B銀行は10年固定金利に誘導しているように感じます(こちらも期間限定のキャンペーン)。
そもそもC銀行は全ての種類において相対的に金利が高く、住宅ローンの金利引下げ競争には参加しないよ、というスタンスが見て取れます。A銀行やB銀行も少し前まではC銀行と同じくらい金利が高かったのですが、マイナス金利導入後ヤル気を見せて金利を下げてきました。
なお、A~Eは金利水準の現状を見るために分かりやすさを重視して当方でピックアップしたものです。この5行が有利になるというわけではありません。金利の値から検索して銀行を発見できたとしてもその銀行が有利になるわけではありませんので、その点はご了承ください。実際のコンサルティングではA~Eではない他行を使うことの方が多いです。
弊社株式会社FPアルトゥルでは住宅ローンのコンサルティングを実施しています。新しく住宅ローンを組む場合はもちろん、住宅ローンの借り換えコンサルティングも実施中。固定、変動の比較を金利だけではなく手数料や金利優遇条件の違い、団信特約の比較なども踏まえ、総合的に間違いやすい点を熟知したプロのアドバイスを受けられます。住宅ローンをプロに任せるという選択もご検討ください。
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