マイナス金利導入後住宅ローンの金利が低下し、住宅ローンの借り換えをする人が増えています。住宅ローンの借り換えでは金融機関の選択で大きな差が出ますが、金利の比較だけで金融機関を決めるのは正しくありません。住宅ローンのプロから見た、借り換えの注意点として「金利だけで判断しない」という点があります。
金利の低さだけで借り換え先を選ばない
住宅ローンの借り換え先を選ぶ際には「金利が低いところはどこか」という視点で、金融機関を比較する人が多いです。確かに金利は低い方が借り換えで得をする可能性も大きくなりますが、住宅ローンの比較では金利以外の面、諸費用や金利優遇条件等を合わせて比較する必要があります。
住宅ローンの諸費用とは
住宅ローンの諸費用の代表的なものとしては「融資手数料」があります。これは例えば32,400円のように定額のところもあれば、融資金額の2.16%といったように融資金額に応じて変わってくるところもあります。住宅ローンの借り換え額が2,000万円の場合の手数料は、融資額の2.16%であれば432,000円となりますが、借り換え額が4,000万円だと手数料は864,000円必要になります。
住宅ローンの借り換え時に必要な諸費用には手数料の他に保証料があります。これは融資金額の2%程度が多いです(返済年数によって異なります)が、保証料0円というところも増えています。ちなみに保証料が0円のところは先に述べた融資手数料が高く、融資手数料が32,400円と低いところは保証料が必要というところが多いです。
その他の諸費用としては、登記の費用(登録免許税や司法書士さんへの報酬)も必要になりますが、金融機関によって大きな差が出ることはありません。フラット35のように、金利に団信(団体信用生命保険)の保険料が含まれていない住宅ローンでは、団信保険料も諸費用に含めて考えます。
金利の低さだけでなく、諸費用を考慮して借り換え先を選ぶ
住宅ローンの借り換えではこのように諸費用がかかりますが、諸費用がどれくらい必要になるかは金融機関によって異なります。金利も低くて諸費用も低いところを選べればよいのですが、一般的には金利が低い銀行は手数料等の諸費用が高く、諸費用が低い銀行は金利が高いことが多いです。そして金利が低い銀行(≒諸費用の高い銀行)のWEBやパンフレットでは「金利の低さ」をうたい、諸費用が低い銀行(≒金利の高い銀行)では、諸費用の低さをうたう傾向にあります。
借り換えで、どの金融機関が得になるのかは、次のように計算をしてみる必要があると言えます。
※住宅ローンの借り換え額を3,000万円ちょうど、残り返済年数を30年としています。
保証料、団信保険料は概算、登記費用も概算でX銀行、Y銀行で差はないものと仮定しています。
金利はX銀行のフラット35の方が低いため、毎月返済額、総返済額ともX銀行の方が有利になります。しかし諸費用を計算に含めるとY銀行の方が得になることがわかります。このように住宅ローンの借り換え先を比較する際は金利の比較だけでなく、諸費用を考慮した比較が必要になるのです。
住宅ローンの借り換え時には、諸費用の他にも金利優遇条件の違いにも注目する必要があります。それは次回、まとめます。
弊社株式会社FPアルトゥルでは住宅ローンの借り換えコンサルティングを実施しています。簡易試算は無料で行い、コンサルティングは安心の成功報酬制。今回取り上げたような諸費用を考慮した金融機関の比較はもちろんのこと、借り換えで間違いやすい点を熟知したプロのアドバイスを受けられます。住宅ローンの借り換えをプロに任せるという選択もご検討ください。
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