不動産協会、保証協会など入会費用
第2話(関連リンク)でも説明しましたが、不動産業者が宅建業を行う場合、不動産取引により損害を受けた消費者の金銭的補償を目的に営業保証金を供託所(法務局)に供託するか、保証協会の会員となり弁済業務保証金分担金を納入することが必要となります。
営業保証金の直接供託の場合、主たる事務所1,000万円(従たる事務所500万円)と高額になる為、ここでは保証協会に加入し弁済業務保証金分担金を納入すると良いでしょう。私の所属する団体を例に挙げて説明します。
(例)開業時1事業所、不動産協会、保証協会の会員となる場合
(公社)全日本不動産協会 大阪府本部
入会金:490,000円 年会費:54,000円
(公社)不動産保証協会
入会金:130,000円 年会費:15,000円
弁済業務保証金分担金:600,000円
近畿流通センタ-(レインズ)
入会協力金:50,000円 年会費:12,000円
その他に必要となる費用には、店舗・事務所の契約費用や内装費用、パソコン、複合機、デスクなど設備費用、広告宣伝費、車両購入費、そして何と言っても人件費を忘れてはいけません。人件費に関しては、最低でも開業後6ケ月分は用意しておきたいところです。売買仲介の場合、契約から決済までは2ケ月間程度は必要です。賃貸仲介の場合、決済は短期間で可能ですが、まとまった契約件数を確保するのには数ケ月は必要です。したがって、事業が軌道に乗り安定収入が得られるまでの人件費は確保しておかなければなりません。
例えば開業時3名、人件費1人当たり20万円としても6ケ月間であれば、360万円は必要になるわけです。
このように宅建業を始める上で最低限必要となる開業資金を勘案した場合、最低でも500万円から800万円程度は必要になると考えておくべきです。
そして開業資金に日本政策金融公庫などで融資を利用する場合、最低でも必要資金の50%、理想は70%を自己資金で用意するよう努力しましょう。
大切なのは、今後の事業展開を念頭に最優先で予算組みする項目と事業が軌道に乗るまでの間は可能な限り削減する項目を整理することです。
経営者感覚は、事業展開に応じた数字感覚を磨くことから始まるのです。
【チェックリスト】
(a)開業資金総額 ⇒
(b)自己資金 ⇒
(c)融資利用額 ⇒
(d)優先する項目 ⇒
(e)削減する項目 ⇒