「不動産営業 独立大作戦」 池田浩一


「いつかは独立」と考える不動産会社の社員は多い…


しかし、何の考えもなしに独立できるほど甘い世界ではない。


成功するためには社員であるうちにできる準備をこっそりしておこう。20年以上不動産会社を経営している池田浩一氏が社員のうちにやっておくべき独立までのノウハウを伝授する。


今回は独立に必要な開業資金について解説してもらった。(リビンマガジンBiz編集部)

今回はいよいよ開業資金のお話です。あなたにどんなに強い情熱があっても資金が用意できなければ独立はできません。厳しい不動産業界で戦い抜いていくために、強い意志と計画性を持って開業準備を進めてください。


画像=写真AC


会社設立費用 

独立する上で最初に考えるべき内容は、
①個人事業主として開業するのか
②会社を設立し法人として事業を行う
のかという点です。
宅建業を行う上で、個人事業主と法人とでは手続き上の大きな違いはありません。複数の従業員を雇用している個人事業主もあれば、社長1人の法人もあります。かつては法人の方が社会における信用度が高く、個人事業主は事業規模や信用面において法人に劣るといった評価が定着していましたが、会社法における最低資本金制度が廃止され、法人は少額出資で誰でも簡単に設立できる時代になりました。同時に安定性や継続性、責任能力など事業者としての資質は、更に厳しく「中身」で判断される時代になりました。
あなたが宅建業者として独立する上で、個人事業主と法人のどちらを選択するかは、あなたの思い描く今後の事業展開と資金計画などを十分に検討して判断すればよいでしょう。法人の場合、会社設立費用や手続きに時間や労力が必要になりますが、個人事業主の場合、税務署に開業届を提出するだけです。一方で売上が順調に伸び一定の利益が得られるようになると、税金面や経費面では法人の方が有利になります。したがって、開業資金を少しでも抑えたいということであれば、個人事業主として独立し事業が軌道にのってから法人化するという選択肢も考えられます。ここでは開業時の必要資金を学び計画的に資金計画を立てることを目的に会社設立の場合で説明します。
では、会社設立に掛かる費用ですが、定款作成、登録免許税、司法書士の報酬などで約300,000円程度となります。司法書士に依頼せず自分で行うことも可能ですが、時間と労力を考慮すると手続きは専門家に委託して、あなた自身は、新規開拓やパ-トナ-人選などに全力で取り組んでください。

宅建業免許申請費用

宅地業免許申請費用は、免許の種類により異なります。先ず都道府県知事免許の場合、新規が33,000円(更新33,000円)、国土交通大臣免許の場合、新規が90,000円(更新33,000円)となります。

この費用は、あなた自身で手続きを行う場合の実費であり、行政書士に手続代行を依頼する場合、別途5万円から10万円程度の報酬が必要になります。

免許申請に関しては、5年毎の更新手続きを考えて、自ら行うことをお勧めします。最初は少し時間が掛かると思いますが、必要書類の内容や申請書の記載方法など全てが宅建業を行う上で参考になる情報ばかりです。
 
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