次に事務や会計担当です。不動産会社の事務担当の場合、企業としての事務処理は勿論、レインズ公開情報の物件確認や資料作成、経験を積めば契約書の作成なども求められます。営業社員をしっかりとサポ-トする、アシスタントの役割です。私の経験上、事務担当が優れている企業は必ず順調に業績を伸ばしています。
反対に「おたくの会社の事務員さん一体どうなってんの?」と、対応面や処理面の問題から営業社員が時間を掛けて築いてきたお客様や取引先との信頼関係を壊してしまうこともあります。
事務担当は会社の顔とも呼んでいい、大切なポジションなのです。
会計担当の場合、売上げ、経費など企業としての会計処理の他、不動産取引に関連するお金の動きを理解する必要があります。特に賃貸仲介の場合、お客様や取引先との決済金授受など日々のお金の出入りが激しいのが特徴であり、迅速かつ適切な処理が必要とされます。短期間でも不動産会社での会計経験のある人材が理想的です。私自身、独立時にこの点を非常に重視していたため不動産会社出身の会計経験者を採用しました。そして、独立から半年後、その判断が正しかったことを実感しました。
ここまで読まれたあなたの感想はいかがでしょうか。
「開業当初からそれだけ有能な人材が確保できれば苦労しない」と言いたくはないでしょうか。その通りです。
私があえてここまで説明をしているには理由があります。それは、パートナーの大切さを認識したうえで、実際に人選に着手するのは独立から1年後の将来像を見据えてからにして欲しいからです。
独立後すぐに、あなたが思い描く全ての事業をスタ-トすることは現実的ではありません。それは、これまで挙げてきたように、事業に必要な全てのポジションに最適な人材をそろえることは不可能だからです。どんなに計画が素晴らしくとも、実行する人材がいなければ絵に描いた餅です。
だから、独立後1年間は主力となる事業を軌道に乗せることに専念すべきです。そして2年目以降、新たに展開を図る事業を計画立てた上で、必要とするパートナーの人選を行い、あなたの企業理念に賛同し、会社を支えてくれる人材を育てるべきなのです。
では、あなたの思い描く事業計画を聞かせてください。そのために必要なパートナーを思い浮かべてください。
【チェックリスト】
(a)開業後1年間の主力事業と必要な人材 ⇒
(b)2年目以降に展開する事業と必要な人材 ⇒
独立後パートナーの選び方(後編)は、2月19日に公開予定です。