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これは私の友人である山田君(仮名)の話です。

山田君はクソがつくほど真面目な性格であり、人当たりが良い人です。見た目も誠実な印象を与えるため、お客様からのウケがよく、いつでも物件の紹介、資金計画まではとんとん拍子で進みます。しかし、いざ契約という段階になると、かなりの確率でお客様や共同仲介業者と揉め事を起こしてしまうのです。

原因は本人も自覚しているようですが、要するに融通が利かないのです。不動産取引の場合、契約当事者だけでなく、金融機関、担保権者と複数の人間が関わります。当然のことながら、各々の事情というものがあり、仲介業者の立場としては取引に関わる全ての人の立場や事情を考慮した上で対応することが必要とされます。

しかし山田君の場合、不動産取引とは「本来こうあるべし」という信念が強く、自分の考えをお客様や関係者に押し付けてしまうのです。結果、真面目という長所が「融通が利かない」という短所となり、最悪の場合は商談解除という形となって表れてしまうわけです。

当時、この問題に関し何度も山田君から相談を受けていたのですが、ある時、別のことに気がつきました。山田君自身はあまり意識していないようですが、物件の調査業務に関しては、ベテラン選手顔負けの力を発揮しているという点でした。

不動産調査は、現地調査からスタ-トし、法務局、役所と調査業務を進めるわけですが、特に骨の折れる調査の1つにインフラ調査があります。

インフラ調査とは、上下水道、電気、ガスなど生活に必要なライフラインの整備状況を確認することです。私設管の引き込み状況や所有者(管理者)の特定など不明な点の多い調査案件になると、どうしても「まあいいか」という妥協の意識が出てきてしまいます。

ところが、山田君の場合、怪しいと感じる点があると、妥協せずどれだけ時間を掛けても確実に調べ上げてくるのです。特に難度の高い厄介な調査ほどクイズを解く子供のようにワクワクして楽しんでいるようなのです。

クソ真面目で融通が利かない性格も、答えを導き出す調査業務においては、周囲から求められ喜ばれるウリと呼ぶに相応しい実力を発揮していたのです。

実はその後、山田君は弁護士や税理士からの依頼が多い不動産調査を専門に扱う不動産業者に転職し、大活躍の末、5年後に夢の独立を果たしました。 

次はあなたの番です。

第三者からみたあなた自身の強みと弱みを分析してみましょう。

  【チェックリスト】

(a)第三者から見た自分自身の強み ⇒

(b)第三者から見た自分自身の弱み ⇒




 
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