「不動産営業 独立大作戦」 池田浩一
「いつかは独立」と考える不動産会社の社員は多い…
しかし、何の考えもなしに独立できるほど甘い世界ではない。
成功するためには社員であるうちにできる準備をこっそりしておこう。20年以上不動産会社を経営している池田浩一氏が社員のうちにやっておくべき独立までのノウハウを伝授する。(リビンマガジンBiz編集部)
(画像=写真AC)
私は長年、不動産コンサルタントとして同業種、異業種で活躍されている方々と関わってきました。そのなかで社員の育成や独立、起業に関し相談を受けた際に、必ず話題に上る内容があります。
それが、「不動産業界の独立のしやすさ」と、その反対に「生き残ることの難しさ」です。
では、不動産業界ではなぜ独立が簡単なのか。
その一番の理由は、不動産業を始めるための要件が原則として①宅建免許の取得と②営業保証金の供託のみであることでしょう。
しかも、この2つの要件は、宅地建物取引業(宅建業)を行うための要件であり、不動産賃貸業、管理業、コンサルタント業等を行う場合は必要ではありません。
あくまで不動産の売買、交換、賃貸の代理又は媒介(仲介)を行う場合と、自らが当事者として売買や交換を行う場合のみに必要となるのです。
また、宅建業を行うために必要となる営業保証金も供託所(法務局)に直接供託する場合には、主たる事務所1,000万円(従たる事務所500万円)と高額になりますが、保証協会に加入し弁済業務保証金分担金として供託する場合は主たる事務所60万円(従たる事務所30万円)で非常に少額になるのです。
したがって、独立後の主な業務内容が仲介業、管理業、コンサルタント業等の場合、不動産の買取り再販業や建売業の場合と比較し、開業資金は最小限に抑えることができ、起業直後の金融機関からの融資利用の心配もありません。
非常に独立開業しやすい業種であることは間違いないでしょう。
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