独立する!と、決意したら
さて、前置きが長くなりましたが、独立前のこころ構えについて、知っておいていただきたいと思います。
独立を決意した瞬間、少し心を静めて、やって欲しいことがあります。それが、次の3つの内容を自らに問い掛け、考えを整理し決意を固めることです。
・なぜ、独立したいのか (動機)
・独立後、何をしたいのか (目的)
・独立後、どうなりたいのか (目標)
まず、自分はなぜ、独立したいのか。
社会的にもっと高く評価され、業績に見合う報酬を手にし、経済的に豊かになりたいのか。それとも現在の業務内容を更に拡大し、全く違うジャンルでも活躍したいのか等です。
次に、自分は独立後、何をしたいのか。
ひと言で不動産業と言っても、内容は様々です。売買、賃貸の仲介業、買取再販、新築建売、注文建築、不動産投資業、管理業等です。また、取扱物件も一戸建、マンション等の居住用物件から店舗、事務所、倉庫、工場といった事業用物件、そして何億から何十億といった収益物件まで、多種多様です
自分自身が独立後にどの分野で活躍し、自らの可能性を追求していきたいのかを分析する作業は非常に重要です。なぜなら分析結果によって実際に独立するまでの準備の方向性が全く変わってくるからです。
例えば、これまで賃貸仲介を専門に扱っていた人が独立後も同じ業務を中心に行っていくのであれば、営業のノウハウは大丈夫でも、現在の企業のテリトリ-を考えたうえで家主、空室情報、管理物件等の新規開拓に力をいれなくてはなりません。
また、現在の賃貸業務と共に経験のない売買仲介や買取再販業務等にも取り組んでいきたいのであれば、独立までの間で専門知識を習得したり、未経験の分野に精通するパ-トナ-選びに力を入れたりしなくてはなりません。
そして独立後どうなりたいのかです。独立後の将来の目標に関しては遠慮せずに大きな夢を思い描いて下さい。今の自分の力と比較してかけ離れているとか、具体制がないとか躊躇(ちゅうちょ)する必要などありません。手が届かないように思えるから夢なのです。一例を挙げるとこんな感じです。
「全国主要都市に拠点をおき、海外にも目を向けるグロ-バルな事業展開をしたい」
「仲介部門、買取部門、建築部門、管理部門、投資部門等、不動産の総合企業を運営したい」
「賃貸専門の多店舗展開を図り、契約件数、管理棟数等、地域内でも指折りのブランド企業となりたい」
不動産業界で独立を真剣に夢見る人は、まずは次のチェックリストに思うままに書き込んでみましょう。書き進める中で、自分の中でも曖昧になっている部分や改善すべき点が沢山見つかると思います。しかし、全く気にする必要はありません。独立への第1歩は、自分自身を知ることから始めましょう。
【チェックリスト】
なぜ、独立したいのか (動機) ⇒
独立後、何をしたいのか (目的) ⇒
独立後、どうなりたいのか (目標) ⇒
本連載は、なるべく具体的な話を盛り込みたいと考えており、必然的に、私が主に手がける不動産売買仲介をメインにして、賃貸仲介・管理などを業務の中心に据えた話が多くなります。なるべく普遍的な内容にしたいと考えていますが、業種の違いや地域性などがでる点は踏まえていただきたいと存じます。