こんにちは、ファイナンシャルプランナーの飯田敏(いいださとし)です。
不動産会社での現場経験は10年を超えます。
現在は、㈱住まいと保険と資産管理で一般の方向けに
ライフプランにまつわるコンサル業務をおこなっています。
今回は商談発生!成約への道をお伝えします。
<待望の購入申込み>
いついくらで売れるのかという不安は売却にはつきものです。
売主にとってはいわば避けて通れない宿命ともいえます。
他人に自宅を品定めされる違和感に立ち向かわなければなりません。
そんな不安なくらやみから差し込む一筋の光が商談です。
商談は購入希望者の購入の意思表示から始まります。
購入意思の表明は「購入申込み(買付証明)」の書面にて行います。
商談に至った際には、この購入申込みの書面を必ず確認しましょう。
主な内容には
・購入価格
・手付金額
・残代金引渡し日
・借入予定額
・契約日
などが記入されています。
購入価格と売出価格との乖離が価格交渉幅ということになります。
原則、購入価格に了解すれば契約に至るとの解釈です。
ただし、会社によってはキャンセルしてもOKというような
アバウトな申込みの取り方をする荒っぽいところもあるので、
いい加減なものでないかどうかの注意も必要です。
特に項目や内容がブランクであったり、明確化されていないような
ものにはご注意ください。
価格交渉では、希望が通らなければ契約しないという人もいれば、
一定額を買い上げて契約をする人もおり、ケースバイケースです。
この点に関しては、良縁に恵まれるかどうかという点に左右されます。
<申込み内容にない注意点>
購入される方の多くはローンを借りて購入します。
全額現金で購入する場合は該当しませんが、
購入希望者がローンを利用する場合には、
ローンを借りることができる人かどうかを事前に確認することが重要です。
契約には「ローン条項」という白紙解除条項が盛り込まれています。
これは買主を保護するための売主には一方的に不利になる条項です。
かつて住宅ローンを利用したことがある方は、
ご自身が買主だった際にはローン条項により保護されていたことになります。
借入ができなければ買主は買うことができないので、
契約は白紙解除となる内容のものです。
せっかく、条件が合意に達しても、また気の重い売却の作業に一から出直しとなります。
ローンが否認される理由には様々ありますが、
・勤続年数が短い
・個人事業主で収入不安定
・現在ローンを抱えている額が大きい
・クレジットカードの保有が多く、整理が必要
・返済履歴に延滞などの事故歴がある
などなど
本人が全く認識していないケースもよくあります。
手付金まで授受したのちに、ローン解除でやり直しとなるのは、
時間も労力も契約書に貼った印紙代までも無駄となります。
この状況を避けるためには、購入申込みを入れた方が、
確実にローンが通りそうな人かどうかを『ローン事前審査』で見極めてから
契約するようにしましょう。
さらに布石を打つなら、事前審査が未了の購入申込みが入ることによって、
宣伝広告を制限されないよう不動産会社の担当者に確認しておくようにしましょう。
なかなか買い手が現れない状態が続くと不安も増大します。
そんな中で入った待望の申込みが幻となったときには落胆もひとしおでしょう。
契約するまではどうなるかわからないという慎重な意識を持つことをおススメします。
次回は、売買契約からの始まりをお伝えします
お楽しみに!