こんにちは、ファイナンシャルプランナーの飯田敏(いいださとし)です。
不動産会社での現場経験は10年を超えます。
現在は、㈱住まいと保険と資産管理で一般の方向けに
ライフプランにまつわるコンサル業務をおこなっています。
今回は売却中の準備・心構えⅠについてお伝えします。
<借入金の返済はいつまでに?>
現在、まだ住宅ローンが残っている方の場合は、
不動産に抵当権(ていとうけん)が設定されているはずです。
つまり、家が金融機関に「借金の担保に取られている」ということです。
売り出す前に確認すべきことですが、
そもそも残債(ざんさい:借金の残金)を
全額返済できないと原則として売ることはできません。
すなわち残債以上の金額で売れない場合は、
売るために自己資金を投入しなければならないことになります。
そのための自己資金がない場合は、残念ながら売却見送り…
となる可能性が高いのでご注意ください。
さて、この抵当権ですがはずす義務は売主にあり、
どの売買契約書にもそのように条文化されています。
通常は買主から受け取るお金で残額を一括完済して、
抵当権を解除する書類を即日金融機関から受け取る流れとなります。
しかし、当日いきなり一括完済したりはできません。
銀行でも書類の準備があるため、前もって(2週間程度前に)
手続き申請しておかなければ間に合わなくなります。
このあたりの確認作業は不動産会社の担当者がサポートしてくれます。
もし、[借入金融機関]や[残債の確認]や[一括完済の手続き]
の話をしない不動産の担当者であったら要注意です。
売却を任せてはいけない人かもしれません。
<居住中では売りにくい?>
住んでいる状態だと売りにくくはないでしょうか?
との質問を受けることがあります。
確かに見に来る人の中には、売主が住んでいると
「気が退けて細部まで見る気になれない」
「じっくり見る余裕がない」
などの感想も聞かれることもあります。
しかし、反対に生活感が判って参考になる
といった声も聞かれます。
では、新築のモデルルームはどうなっているでしょう?
きれいな家具を揃えて飾ってありますよね。
大事なことは整然として片付いていることです。
物であふれているとマイナスイメージが広がりますので、
なるべくスッキリ片付いている印象を与えられるよう意識しましょう。
それから清潔感も大きなポイントです。
・特に水回りや窓枠サッシ
・浴室のカビやくすみの多い鏡
・サッシ周りの結露跡ややぶれやほこりが目立つ網戸
・油よごれが見えるキッチンや換気扇
などは心証を悪くします。
見に来る人にいい印象を持たれるためには、
プロにお金を払ってでも修繕やクリーニングを
実施したほうがよろしいでしょう。
そして、押入れやクローゼットなどの収納も
積極的に見せてあげるようにしましょう。
空室状態の場合でもいえることは同じです。
気持ちよく住める状態にするために
リフォームするお金がずいぶんかかりそう
との印象を持たれると敬遠されたり、
大きな額の価格交渉を受けやすくなってしまいますので、
室内のコンディションは良好にしておきましょう。
<内見は不意にやってくる!?>
より良い条件で売るためには、なるべくたくさんの人に見てもらう
つもりでいたほうが良いでしょう。
何組も内見依頼がくると「煩わしい」と感じるかもしれませんが、
そこは、どなたかは「いい条件で買ってくれる」と信じて都合を合わせていきましょう。
内見は、土、日、祭日に朝夕容赦なく自身の都合に関係なく依頼が来ます。
しかし、そんな時でもできる限り対応していきましょう。
見に来てくれる人が「一カ月間全く来ない物件」も珍しくありません。
そんな状態の時は「本当に我が家が売れるのか・・・」不安が募るばかりです。
そういう不安な思いをしないためにも見に来る人がいることはチャンスで
「ありがたいこと」と考えるべきでしょう。
次回は、売却中の準備、心構え2をお伝えします
お楽しみに!