みなさま長屋という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
長屋というと古臭いイメージがあり馴染みが薄いかと思いますが、長屋とは一棟の建物を仕切り多世帯の住宅が
連なっている形式です。
長屋と共同住宅では、建築基準法上大きく異なりますので、どのように異なるか見てみたいと思います。
長屋や共同住宅は見知らずの人同士が集まって住む建物なので防災上厳しいということが言えます。
共同住宅は、共用のエントランスがあり、共用廊下や共用階段からなるものです。
それに対して、長屋は共用部分をつくってはいけないため外部から直接住戸へ出入りをするか専用の階段でアクセスできなければなりません。
3階建てだとしても長屋の場合は住戸ごとに階段を設けるということになります。
共同住宅は建築基準法上、特殊建築物ですので長屋よりも厳しい制限がかかりますし、消防法上においても厳しくなります。
共同住宅を東京都や横浜市で計画する場合、住戸バルコニーの前は窓先空地と呼ばれる空地設ける必要があり、そこから道路などへ避難できる有効幅員が定められています。
一方、長屋においては窓先空地というものはありませんが、道路へ至る有効幅員が定められているので合わせて検討する必要があります。
旗竿状敷地に共同住宅を建設する場合は特に注意が必要です。
東京都では、旗竿状敷地に共同住宅を建設することを原則禁止されていますが、長屋であれば建築できます。
また、旗竿状敷地の通路幅や通路長さによって、建物規模や建物用途を制限している行政庁もありますので注意が必要です。
通路長さが長すぎると戸建て住宅すら建築できないこともありますので、通路長さ10m以上になる場合は念のため行政庁に確認をされた方が良いでしょう。
大きな一体の敷地を下図のように敷地分割を行う場合、A敷地のことだけを考えて敷地分割してしまうと、旗竿敷地で思った建築ができないというようなこともありますので敷地を分割する際は建築士の意見も聞いて分割した方が良いと言えます。