リフォームでよく聞くトラブル例をお伝えします。
リフォームはいくらかかるか想像もつかないため、一般的に個人のお客様はリフォーム業者や工務店に直接相談をされる方が多いです。
お客様は、工事金額を知るために工務店に「こことココを新しくしたい」という説明を業者にして見積もりをしてもらうことが多いと思います。
このような方法でトラブルがなければ良いのですが、相談をされることが多いでポイントをご説明します。
どのような困りごとが多いかというと、
①工事金額が適正なのかわからない。
②見積もりを見てもよくわからない。
③打ち合わせしたものと違うものが取りついてしまった。
それぞれ、分析していきましょう。
①工事金額が適切かどうか判断することは一般の方にはかなり難しいです。
工事金額が適正かどうか判断する方法としては、相見積もりという方法があります。
相見積もりとは、いくつかの業者さんに工事見積もりをしてもらい、金額を比較してみることです。
相見積もりで大切なことは、比べるものが同じかどうかです。
多くのご相談者さんは、比べるものを同じにしておらず、単に高い、安いという判断をされている方が多いです。
例えば、単にキッチンや便器を入れ替えたいと言っても設備には色々な機能や仕様があるため金額差が生じて当然ということになります。
また、クロスにしてもグレードがあります。
何でもグレードを明確にしなければ、高価なもので見積もった業者は工事費が高くなり、安価なもので見積もりした業者は工事費は安くなるという結果に陥りがちです。
②業者が作成した見積書をみても一般の方には理解しにくいことが多いです。
ある工務店は、諸経費が10%なのに一方の工務店は7%だったり、同じキッチンなのに金額が大きく違っていたりします。
詳しく聞いてみても、なんだかよくわからない説明を受けたりします。
これについても、製品を安くして諸経費を高くする方法もありますし、製品を高くして諸経費を安くする方法もあるので、単に諸経費が高い、安いと判断できるものではありません。
③打ち合わせしたものと違うものが取りついてしまったということは「言った、言っていないの世界」に陥りがちです。
工事担当者とお客様が直接やりとりする場合、文面でやりとりをしていないことが多く、文面で残っていないと泣き寝入りせざるをえない場合もあります。
気に入らないなら、別途費用が発生しますと言われます。
これら①~③のお悩みは何故起こるのでしょう?
やはり、原因としては「第3者的な立場である建築士」がいなかったことだと言えます。
①については、詳細な図面は描かないまでも、どの範囲をどのようなグレードで工事を行うか簡単な図面があれば適正な金額を知ることができます。
②見積書は、こちらで工事項目を指定しない限り、業者は独自の見積書で作成します。
ある程度工事項目を決めて、見積もりのルールを決めなければ、どちらが適切な見積書かわかりません。
建築士がいれば、適切に見積書を判断できるでしょう。
③基本的に建築士から工事業者に指示する手段は図面や文面となります。
よって、お客様が泣き寝入りすることは少なくなります。
建築士は単に図面を描いて、デザインをする人だけではありません。
工事におけるお客様に寄り添う弁護士的な立場でもあります。
一級建築士には、小さなリフォームを頼むのは申し訳ないという声もお聞きしますが、トラブルを防ぐためにも建築士が必要な場合もあります。