不動産コンサルタント・ニコニコ大家さんプロデューサーの
星 龍一朗です。
今回のテーマは、
「不動産マーケットの相場は循環する!」バブル崩壊から現在までを振り返る(その3)
です。
前回は、1993年からしばらくの間、不動産価格が下落し続けた状況を
具体的にお伝えしまた。
今回は、その続きですが、
1990年代の後半になると、ある変化の兆しが出てきたのです。
とこれで、
「住専処理問題」というのを覚えていらっしゃいますか?
若い方は、知らない方が多いとは思いますが、
1996年位に大きな社会問題になったものです。
そもそも「住専」とは、住宅金融専門会社を略した呼び名で、
個人向け住宅ローンを主に取り扱う貸金業者のことです。
バブル景気の際、地価高騰により、住専の融資量は一気に膨らみ、
特に1990年3月の「総量規制」が不動産向け融資は住宅金融専門会社を対象とせず、
また、農協系金融機関は対象外とされたため、農協系から住宅金融専門会社、
そして不動産投資へと資金が流れることとなったのです。
住専には農林系金融機関(農林中央金庫、各県の信用農業組合連合会(信連)、全国共済農業協同組合連合会)を
中心とした金融機関が貸し込んでいきました。
ところが、バブルが崩壊すると、地価が下落して不動産業者の担保価値の目減りは大きく、
土地は売るに売れない状況となり、融資先は元金返済どころか金利の支払いすら滞る事態となったわけです。
貸付けした融資は塩漬けとなり、不良債権化していったわけですね。
この時点で住宅金融専門会社は実質破綻です。
ところが、この破綻で一番困るのが住専に資金を垂れ流した農協系金融機関です。
農業協同組合等の系列金融機関(JAバンク系)も破綻は時間の問題となっていたのですが、
1996年の国会で、住専救済法(特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法)の制定で
国費により住専の債権が買い取られたことで救済され農協系金融機関は破綻を免れたというわけです。
つまり、国民の税金で農協系金融機関を救済したことになります。
これが、「住専処理問題」です。
この後は、住専だけでなく、銀行の「不良債権」がとてつもなく膨れ上がり、
「不良債権処理」が行われるようになって行きます。
そこに登場するのが、不良債権を買い漁る外資系のいわゆる「ハゲタカファンド」
なのです。
この銀行の「不良債権処理」が進んで行くにつれて、
不動産価格の動向にも変化が出てくることになります。
今回はこれぐらいまでとして、
この続きは、次回、お伝えしますので、お楽しみに!
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。
次回も、よろしくお願いします。
星 龍一朗