不動産コンサルタント・ニコニコ大家さんプロデューサー

星 龍一朗です。

今回のテーマは、
法人名義の不動産売却の税金はどうなる?!
です。
個人名義の不動産の売却益は、分離課税といって、
他の所得とは、分離して課税がされます。
同じ申告期間に、損失が出る不動産を売却して、
その譲渡損を、譲渡益にぶつけるということは可能ですが、
それ以外は、利益が多くでたからと言って、
節税のために打てる対策は、極めて限定的だと思います。
一方で、法人名義の不動産を売却した場合の税金は、どうでしょうか?
売却益が出たとしても、それは、その他の利益と合わせた上で、法人税での課税となります。
つまり、不動産の売却益だけを分離した課税ではないわけではなく、
法人の決算年度の賃貸利益と売却益(売却損)およびその他の収益を合算して、
合計の利益に対して法人税率をかけます。

ということは、節税の対策も打ちやすくなります。

法人の節税対策として、代表的な
経営セーフティーネット共済なども、もちろん活用できるわけです。

経営セーフティーネット共済とは、正式には、
中小企業倒産防止共済と言って、中小企業の連鎖倒産を防ぐために設けられた共済です。

もし万が一、取引先が倒産して損失を被った場合には、積立てた金額の最大10倍(最高8000万円)を
「無利子・無担保・保証人不要」で借りることができます。
掛け金がほぼ積立となり、かつ掛け金の上限額の年間240万円までを全額損金計上できるため、
節税によく使われるわけです。
これは、独立行政法人 中小企業基盤整備機構という政府系の機関が運営しています。


他に、民間の保険(全損・半損)の活用もあります。

これらは実質的には、課税の繰延べではありますが、利益が予定以上に出てしまった場合などにも、
よく活用されます。
また、法人であれば、不動産、太陽光発電設備などの減価償却資産を購入して、
減価償却費を計上することにより、不動産売却による利益を圧縮することも可能になるわけです。
そういう点で、短期の保有期間で、譲渡益が出るような不動産の場合は、
特に法人名義のほうが、対策がしやすく、有利だといえるでしょう。
不動産投資の場合、名義については法人がよいのか個人がよいのかは、
このように売却時のことだけでも、出口のシオリオによりますし、不動産価格相場の動向の影響も受けます。
ほかにも、団体信用生命保険の加入の面、どこまで、融資を受けて物件を増やしたいかなど、
いろいろと総合的に考える必要があります。
最後まで、お読みいただき、ありがとうございました。
次回も、よろしくお願いします。


星 龍一朗
 
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