クリスマスが終わり、気づけばもう2016年も終わりですね。
お仕事されている方などは、年末の挨拶や仕事納め、大掃除など忙しいときをお過ごしでしょうか。
私も仕事の関係上、年末調整の計算や納期の特例の源泉所得税計算など忙しくさせていただいてます。
さて、前回のコラムで不動産を購入・建築したことにより消費税の還付金を受け取っても、一定の調整によりその還付金を
返金しなければいけない可能性があるということをお伝えさせていただきました。
では、実際にその調整の内容を検討してみたいと思います。
前回の事例では、自販機収入が10万円、居住用マンション建築費用1億円で7,992,000円の消費税の還付金を受けました。
通常であれば、これだけの還付金があれば不動産投資などでは、キャッシュに余裕ができますので、新たな投資に回したり、借入金の繰上げ返済
をしてしまいたいところですが、少し注意が必要です。
1億円のマンションから得られる収入としては、賃貸収入になりますが、この収入は税務上非課税売上になります。
満室経営で年間600万円の収入が得られるとします。
マンションなどのように高額な固定資産を購入した場合で、購入事業年度以後3年間の課税売上の割合が著しく変動する場合には、
その変動分を返金しなければいけないという法律があります。
課税売上割合が著しく変動した場合の調整
上記の計算式に今回の事例をあてはめて考えてみたいと思います。
マンション建築事業年度(仕入課税期間)の売上としては、自販機収入の10万円のみになりますので、課税売上は100%になります。
第2年度及び第3年度の売上は、自販機収入10万、賃貸収入600万となり、課税売上の割合は約1.6%となります。
この場合、通算課税売上割合は、通算課税売上30万/総売上1230万=約2.4%ですので、
(イ)100%-2.4%/100%=97.6%≧50%
(ロ)100%-2.4%=97.6%≧5%
よって、第3年度に返金する消費税は7,992,000円×97.6%=7,800,192円となり、還付を受けた消費税の大半を国に返金しなければならない仕組みになっているのです。