レインズの導入で不動産業界が再編

レインズが普及してから、不動産物件情報が一目でわかるようになったため情報網の構築がなされました。売り主や買い主などは直接レインズの情報を見ることはできませんが、不動産会社はそれをもとに商談を進めていくのです。こうしてどんどんレインズが普及してくことにより、今まで地元の利を生かして頑張っていた中小の不動産会社が淘汰されていく時代に突入しました。媒介契約を交わした物件は全てレインズに登録せざるを得なくなったため、極論でいうとどこの不動産会社でも同じ物件を扱えるようになってしまったからです。一部大手企業もありますが、現在、地方に居を構える不動産会社の大半が社員数人しかいないような零細企業となっているようです。

レインズによる透明性を疑う場面も

レインズが導入されて以降、契約物件が全国の不動産業界内で公開されますので、誰でも売買に介入することができるという点でグレーな取引は少なくなったかのように見えます。しかしながら、実際にはまだ不透明な取引がされている場合もあるようです。公平性が増せばその分、何とかしてそこから抜け出して自分だけ利益を得ようとする人がでてくるのです。例えば人気の売り物件があった場合、レインズに登録をすることなく自社で抱えている買い主に販売してしまうというようなケースや、レインズに登録はするものの、他の不動産会社から問い合わせがあっても、「すでに買い主が決まっている」とウソの断りを入れて自社の顧客に販売するというようなケースです。レインズに登録をかけることで義務違反にははなりませんが、不動産会社が両手取引で利益を得ようとしていることは明らかです。両手取引による仲介手数料を通常の2倍得るなど、自社の利益のみを優先するこのような行為は当然あってはならないのです。このようなケースがあるということを念頭に置いておくだけでも今後売却を考える際の参考になるのではないかと思います。

 
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