そもそも不動産競売とはどのようなものか
不動産競売とは、債権者の申し立てにより裁判所が不動産を差し押さえ、強制的に売却して得られた金銭を債権に充当するという行為のことを指します。競売の場合は、一般市場による買い付けとは多くの点で異なります。一般市場における不動産の売買においては、売り主と買い主の間で交渉が行われ価格が決定します。これに対して不動産競売の場合は、裁判所が公正なルールにのっとり進めていき、買い受けに関しては一般的に入札方式が取られます。全ての行程が決められたルールに沿って行われていくと言っても良いでしょう。
入札のやり方やルールとはどのようなものか?
不動産入札では、指定された期間中に入札を行う期間入札が行われるのが一般的です。この期間入札では、入札を希望する者が入札書に金額を記入して、指定された封筒に入れて糊付けを行った状態で入札するという「封入入札方式」が取られます。使われる封筒は、管轄裁判所に用意されています。この他の入札書や払込書などの書類も同様です。入札は他の入札者がどのような価格を出したのかが分からない仕組みになっています。よく卸売市場などでの競りなどでは、公開入札方式が行われ、入札に参加している人が次々に金額を上げていくという方式を取りますが、不動産競売では誰が入札し、そして何本入札が入っているのかも示されません。そして最高額を提示した買受人への売却が決定するわけですが、もし第一位であった者が代金を納めず買受がなされなかった場合は、次点の価格を提示した入札者が繰り上げとなります。つまり、次点繰り上げを希望するかの確認があった場合は、次順位での買受を行えるチャンスがあるということになります。
ファーストプライスオークションとは
競売における期間入札では、入札者の中で一番高い金額を入札したものが買受人となり、売却がなされることになります。これが、ファーストプライスオークションと呼ばれるものです。また、特別売却というケースもあります。これは、競売にかけられている物件に買い手がいなかった場合、俗に言う売り出しセールのことを指します。つまり、売れ残ってしまった物件を売却する行為のことです。特別売却の場合は、特別売却期間中に買受の申し出をします。基本的に先着順で購入することが可能になるのがこの特別売却です。