無理な事業計画でシェアハウス「かぼちゃの馬車」を不動産投資家に販売したスマートデイズの記憶は新しいところです。
ここには、「賃貸経営は儲かるもの」という投資家側の思い込みと、その期待に無理に応えようとして事業計画を曲げてしまう事業者側の対応に問題があります。
筆者はつねづね不動産投資希望の相談者に対して、「賃貸経営は儲からない」「しかしリスクを最小に抑えれば健全な経営はできる」ことを伝えてきました。
ここでリスクを最小に抑えるとは、綿密な事前調査と慎重な計画を策定した上で、一定の判断基準に基づき賃貸経営の可否を判断すること、かつ危ない事業計画は決して進めないという姿勢を貫くということです。その姿勢を守れば、賃貸経営は「ローリスク・ミドルターン」の投資とみなして良いと考えています。
事業計画策定の際のポイントは、
①長期シミュレーションの作成
②賃料下落の評価
③金利上昇の評価
④修繕費(特に大規模修繕)の評価
を適切に行うことです。
それにより、より安全な事業計画を検討できるとともに、オーナーとの信頼関係を築くことにもなります。
空き家をアパート・マンション以外の用途に建替える場合も同様です。
基本的なスタンスは変えず、プロフェッショナルとしてオーナーに寄り添っていただきたいと思います。