売却以外の方策も検討しておく
どうしても売却自体が難しいケースでは、売却以外の代替案も検討しなければなりません。
昨年、コンサルをしたケースに、高齢の母を引き取り同居することになったため、母が居住している住宅を売却したいとの相談がありました。海岸にも近く瀟洒な街並みが続く住宅地にあり、建物の状態も良かったので、調査を始めることになりました。
ところが地元の不動産会社に周辺の取引状況を確認したところ、この住宅地は2011年の東北地方太平洋沖地震の時に津波に襲われたことが分かりました。全半壊、死者こそありませんでしたが、その後購入希望者が全くいなくなってしまったというのです。地震から6年以上経った時点でも、当時の記憶が強く刷り込まれていて、売買ができない状態が続いていました。
そのため賃貸にして活用することも検討した結果、近隣在住者の家族が借りたいということになったため、現在は賃貸住宅にしています。被災エリアの需要では、持ち家より賃借の方が抵抗が少ないということも分かりました。
このケースのように、売却自体が難しい場合には、その他の方策も提案することが必要になることがあります。またその際に代替案を提示することにより、お客様からの信頼感に繋がります。
次回は「どのようにして売るか」について解説します。