実は、三大都市圏に属する11都府県のうち、住宅地の公示価格が値下がりしているのは4県のみであるのに対し、三大都市圏以外の36道県のうち、住宅地が値下がりしているのは27県、75%にものぼります。地方の住宅地についてはやはり値下がりしていることがわかります。
また、値上りしている東京圏を見ても、東京都の青梅市とあきる野市、神奈川県の三浦半島や県西部、埼玉県の北西部の市町村では多くの地点で公示価格が下落しています。
特に住宅地については、人口減少や少子化による実需の影響が色濃く出るため、今後も地価下落は続いていくと考えられるのです。
このような状況の中で、不動産会社として、お客様の不動産をどのように売却していくか?
具体的な方策については、次回以降に解説しますが、まずは売主であるお客様のマインドを変えることが大切です。
売主であるお客様の中には、いまだに土地は安定資産で将来的には値上がりするという、いわゆる「土地神話」の呪縛から解き放たれていない人も多く、時間をかければ、いずれ希望の価格で売れるだろうと安易に考えている人が多くいます。
しかし、実際にお客様と「いくらで売るか?」について打合せする時には、「今年は公示価格上昇!」といったうわべだけの報道に流されることなく、現状を正確に伝えながら、納得していただく必要があります。
今回のタイトル「いくらで売るか?」の意味を、
「いくらで売ってやるか?(安ければ売らなくてもいい!)」
ではなく、
「いくらだったら買っていただけるか?(買っていただいてありがとう!)」
という意識で捉えていただくように心がけてください。
そのためには、公示価格についても、表面だけではなく、その裏にある真実を読み取って伝えるようにしてください。
次回は「いくらで売るか?」その2です。