この特例の適用の有無で税金はどのくらい変わるのでしょうか。
〔例〕Aさんが相続した空き家(取得費不明)を3,500万円で売却。譲渡費用は325万円。
課税譲渡所得は、
①空き家の譲渡所得の特例の適用がない場合
譲渡価額3,500万円-(取得費175万円+譲渡費用325万円)=課税譲渡所得3,000万円
譲渡所得税=課税譲渡所得3,000万円×税率20.315%=6,094,500円(所得税、復興特別所得税、住民税合計)
②空き家の譲渡所得の特例の適用がある場合
譲渡価額3,500万円-(取得費175万円+譲渡費用325万円)-特別控除3,000万円=0円
譲渡所得税は0円
と手取り額には600万円以上の差が生じるのです。
ただし、この特例を適用できるのは、相続時から3年を経過する年の12月31日までで、売却がこの期限を過ぎてしまうと特例は受けられなくなります。相続の場合は、相続登記も合わせて進めなければいけないため、注意が必要です。
(画像=写真AC)
税務上も有利な早期売却を促そう
将来、利用する用途があるなど適用期限内に売却ができない顧客を除けば、空き家の譲渡所得の特例の適用を受けることはたいへん重要です。顧客に対しては、他の売却ポイントとともに、必要に応じて「3,000万円特別控除」も考慮に入れながら、「いつ売るか」をアドバイスしましょう。
(※なお、上記の空家に係る譲渡所得の特別控除は、平成31年12月31日までの時限措置です。延長については平成30年4月18日現在確定していません。)