管理のポイントと管理方法
適切な管理を行うには3つのポイントがあります。
①劣化防止・美化維持
建物の外部や内部を点検し、あわせて清掃もします。
建物の傷みを防ぎ、性能を維持するために通風、換気、水回りの点検などを行います。
キッチン、洗面所、トイレでは臭気抜きをし、悪臭を防止します。
また外回りの清掃、草取り、剪定等も行い、外部の美化を維持します。特に春先に除草剤を散布しておくと一定の効果があります。
②コスト削減
コスト削減の手法として、まず毎月の固定費を下げます。
水道光熱費を抑えるために、電気の契約アンペア数変更や水道・ガスの解約も検討しましょう。
また、火災保険を見直しや自治会を脱退することもコスト削減に効果があります。一つひとつの金額は小さくても年単位では大きな節約になります。
③防犯・防災
郵便物やチラシの整理・処分を行います。場合によりポストを見えづらい場所へ移動することや、投函口を塞ぐことも検討します。
夜間に門灯や玄関灯、ホール灯を点灯させることも防犯に繋がります。防犯カメラの設置も効果的です。
外部の美化も防犯には欠かせません。草が伸び放題、ポストからチラシが溢れ放題では、「この家は空き家です」と主張しているようなものです。また地震や大雨などによる災害時に迅速な対応を取れるよう、空き家の近隣の人や親戚と連絡できる状態にしておくことも重要です。
しかし現実的には、上記のように空き家の適切な管理を継続することは、多くの所有者にとって大きな負担になります。
そこで、所有者に代わって管理を行う空き家管理サービスが生まれ、その後各地に広がってきました。
空き家管理サービスは、主に地域の不動産会社や建設会社が業務として行っています。サービスを提供する会社は年々増加しています。またインターネット上では空き家管理業者を紹介するサイトもあります。
サービス内容や料金は会社により異なりますが、基本的な作業はセットで、必要に応じてオプション作業を追加するというシステムが主流です。その他、低額で基本的なサービスのみを行い、それ以外はオプションで追加するというシステムを用意している会社もあります。
次回は、空き家管理サービスを提供する各社の料金設定の事例や、管理委託する空き家所有者の傾向などについてご紹介します。