ソーラーシェアリング(1)
1 はじめに
少子高齢化の進む日本において、本来作物を収穫するのに適した農地も、人手がないために放置されている例が少なくありません。これまでは、地目的が農地であれば、固定資産も安く、遊休地として放置されていても、税務上の問題はありませんでした。しかし、平成29年度からは遊休農地についても高い固定資産税が課されるようになりました。そこで、これからは、遊休農地をもっている方々は何らかの対策が必要になります。
その一つのあり方として、農地で行う太陽光発電があります。
農地はもともと作物を収穫するために適した土地であり、日当たりがよいことが農地の条件ともいえます。太陽光発電も、日当たりが良い土地であることが不可欠ですので、もともと農地は太陽光発電に適した土地といえましょう。
ソーラシェアリングは、以上のような状況を踏まえて、遊休農地を収益物件に変える手法として、最近注目を浴びるようになってきました。
2. 農地について
農地の特徴として、土地の使用目的が農業用に限定されているという点が挙げられます。
換言すれば、農地を手に入れられるのは農家またはこれから農業をおこなう方に限られます。
相続の場合は例外ですが、相続した土地の譲渡は農家またはこれから農業をおこなう方に限られますので、結局農地は農家の方だけが所有することができることになります。
ただ、農地を農地以外の目的で使用することも不可能ではなく、地方自治体の農業委員会の許可を得て、農地を農地以外の目的で使用することも可能です。
3. 農地区分と農地転用許可の条件
農地の転用の可否は、農地区分と密接に関係します。どのような土地でも転用ができるというわけではなく、優良な耕作地は転用が認められません。
農地には、農用地区域内農地、甲種農地、第一種農地、第2種農地、第3種農地などの農地区分があり、条件付きの許可になる第2種農地と、原則許可になる第3種農地以外は原則として、転用が認められません。
4. 次回以降
次回以降、遊休農地の活用方法としての、ソーラシェアリングの詳細と農地転用の方法について、説明してゆきます。