私の叔父夫婦は転勤族でした。今は定年して東京郊外のマンションに住んでいます。ふりかえると、叔父の場合は転勤先が、東京から飛行機を使って2時間ほどの地方都市と、東京から新幹線で2時間以上の田舎町、そして東京本社の3箇所だけでした。結果的に、その3箇所を行ったり来たりして、東京本社を最後に定年退職しました。
最初は長年社宅に住んでいたのですが、いつの間にか地方都市にも田舎町にも家を購入していました!?どちらも戸建て住宅です。どちらの家も、家を買ったらほどなく転勤になり、地方都市の家は賃貸に出していました。田舎町の家は、どうせ借り手も付かないので、東京の家には大きすぎる家具などを残したまま空き家にしていて、何度か転勤のたびに住んだようです。とはいえ、空き家の間は定期的に新幹線で2時間以上かけて通い、家の維持管理をしなくてはいけないため大変です。これは今でも続いています。
では、賃貸に出していた地方都市の家はどうなったかというと、あるとき台風で家が損傷してしまい、修繕にものすごくお金がかかって大変だったみたいです。貸していたので、人が住んでいるわけです。賃貸人には修繕義務があるので、どうしてもすぐに修繕しなくてはなりません。そもそも遠方の物件だけに、何か起こったときには大変です。
すっかりこれに懲りて、地方都市の家は売ることにしたようです。とはいえ、賃借人がいる物件です。都内で立地の良い場所に建っているマンションなら投資物件として買う人もいるかもしれませんが、地方都市にある賃借人のいる戸建て住宅です。とても売れる見込みがあるとは思えません。売るとしたら、まずは賃借人に立退料を支払って出てもらえるよう交渉するところから始めなければならないでしょうね。
叔父夫婦の家の場合、賃借人は家族でそこに長く住んでいる人だったので、立退きたくはない意向。そこで、賃借人に買取を打診してみたところ、ラッキーなことに、安く売ってくれるならこの家を買ってもいいとの申し出があったそうです。安く売り渡したようではありますが、おかげでとてもスムーズに売却することができました。
というわけで、転勤族が転勤先の地方で家を買うと、大変なことだらけです!ただでさえ空き家問題がクローズアップされる昨今、地方に簡単に家を買うものではありませんね。とはいえ、社宅は狭くて古い場合が多いので、赴任期間が長くなると家を購入したくなる気持ちもわからないでもないです。