昨今、空き家問題が社会問題化しているため、「空家対策特措法」という言葉をよく耳にしませんか?これは、増え続ける困った空き家に法的措置を講じるためのものなのです。そう、今はただの空き家ではなく困った空き家が増殖しているのです。
核家族化が進んで、親の家に子供が住むということがなくなってきました。ということは、親が施設に入所したり亡くなったりすると、その家は空き家になってしまいます。親が自分で処分したり、相続した子供が計画的に売るなり貸すなりすれば良いのですが、長年親が住んでいた家ですので片づけすらままならず、空き家のまま放置されているケースが多くみられます。
さて、そんな中で2015年5月26日に全面施行されたのが「空家対策特措法」です。これにより、自治体は特定空き家の指定をすることができるようになりました。自治体は持ち主に対して空き家の管理を指導・勧告・命令することができ、応じないまま年をまたいだあかつきには、税率が軽減されている住宅用地特例の対象から外すことができます。つまり、200平米以下の物件では一気に固定資産税が6倍に跳ね上がるというわけです。
固定資産税が6倍になってしまう特定空き家とはどんな空き家なのでしょうか?その家を空き家と判断する基準は、年間を通してその家の使用実績がない場合としていますので、1年放置したら空き家とみなされるいうことですね。なかでも、特定空き家と判断されるのはこんな困った空き家です。
・倒壊の危険がある空き家
・衛生上有害な空き家
・景観を損ねる空き家
もともと親が長く住んでいた家ですから古い家が多く、これらの条件に該当する空き家は決して珍しくありません。あなたの親が住んでいた家も該当するかもしれませんよ。特定空き家に指定されてしまったら、正直言って負の遺産を抱えたのと同じです。
親の家が将来空き家になる可能性があるとわかっているのであれば、早めに家族で話し合い、空き家の活用方法や処分方法を決めておきましょう。