核家族化が当たり前となり、親の家には住まずに新居を購入する子供が多いので、昨今では親が亡くなった後で空き家になるケースが多く見られます。私の夫の実家もその可能性を秘めています。
我が家のケースでいうと、3人兄弟のうち2人は結婚して新居を購入済みです。現在は結婚していない義姉が両親と同居しています。いずれ義姉が結婚するなどして家を出れば、両親が亡くなった後にその家に住む人はいなくなり、空き家になる可能性があります。たとえ義姉がそのまま実家に住むとしても、戸建て住宅なので1人で住んで維持管理をするのは大変なのではないかとも思います。
実家は今こういう状況にあるのですが、誰も将来この家をどうするかということについては口にしません。親が亡くなった後のことを口にするのは「縁起でもない」と、はばかられるからでしょうね。そういう家庭は日本にたくさんあり、だからこそ相続が発生してから慌てることになるのです。そしてもめることにもなりかねません。ですので、本当は親が元気なうちに親の方から家をどうするかという話し合いの申し出をしてくれるとありがたいですよね。
親世代は戦後生まれにもかかわらず、戦前の家制度を引きずって長男に家を継いでもらいたいと思っている人もいまだにいます。兄弟も兄弟で自分はいらないけど長男に実家に住んでもらいたいと言い出したりして、長男はうんざりしてしまいます。だからといって価値ある不動産を相続するとなれば戦後の法制度でしっかり遺産分割を要求してくるのですから始末に負えません。
いざ相続するというときになって、そんなことからもめ始めたら遺産分割協議なんていつまでたっても終わりませんよね。
家族がそれぞれ家をどうしたいと思っているのか、もし別々の考えを持っているのであればしっかりと話し合わなくてはいけません。現実的に考えて、どうすれば家族全員が幸せに相続できるのか話し合いたいですよね。両親が元気なうちに、全員が納得する方向性を時間をかけて話し合って決めておけるというのが、親の家を相続するにあたっての理想なのではないでしょうか。