私の実家は、田んぼや畑に囲まれた田舎にある旧農家です。両親ともサラリーマンでしたので、2人とも農業はまったくやっていません。でも、もともと代々続く農家の家で、田んぼも畑も山もあります。ちなみに私はそんな田舎の家の跡取り娘でしたが、東京に出たっきり帰らずさっさと結婚してしまいました。

 同じように田舎に田畑山林を持つ都会暮らしの方、きっとたくさんいますよね。そんなみなさんは定年したら田舎に帰りますか?帰ると決めている方はほんの一握りなのではないでしょうか。長年の都会暮らしに慣れ親しみ、田舎暮らしの大変さも知っていると、なかなか帰る気にはなれませんよね。とはいえだんだん両親も年をとりはじめ、相続のことも考えておかなければなりません。

 田舎に実家のあるみなさんは、自分が相続するであろう家や田畑山林がどれくらいあるのか、そもそもどこにあるのかなどご存知ですか?田んぼや畑も、わかりやすく家の周辺にあるのならまだいいのですが、意外と点在しています。うちの実家のすぐ裏にある田んぼはよその家のものですし、目の前にある畑は隣の家の畑だそうです。正直言って私にはどれがうちの田んぼや畑なのか全然わかりませんでした。

 でも、それではいざ相続するとなったときに大変です。両親が元気なうちに、田舎の家の田畑山林についてしっかり把握しておきましょう。なぜかというと、相続は亡くなったその瞬間からはじまるからです。そして、相続人全員で遺産をだれがどのように相続するかを話し合う遺産分割協議をし、3ヶ月以内に話をまとめなければならないのです。けっこうタイトなスケジュールなので、相続する田畑山林がどこにどれくらいあるのかくらいは、両親が元気なうちに把握しておかないと大変です。  

 都会と違って田舎の土地は、相続しても負担になるケースが多いです。我が家の場合は、祖父母が亡くなってからは、田んぼについては業者を入れて米を作ってもらっています。畑についてはマスオサンしている妹家族が一部家庭菜園として楽しんでいますが、他はほとんど空いており、維持をするのも大変です。山に関してはおそらく完全に放置しているのでしょう。そして、自分たちは使わないとわかっているそれらの土地に固定資産税を支払う必要も出てきます。

 まだまだ先の話と思っているあなたも、せめて田畑山林がどこにどれくらいあるのかくらいは把握しておきましょう。そして将来どう相続するのか、相続人となる他の家族とイメージだけでも共有し合っておけるといいですね。 

 
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