2軒目の購入ならではの悩みがある
住宅を初めて購入する際には、頭金の目標額、ローンで借りられる額などを計算してから、いわば自分のペースで計画的に進められます。手の届く予算内で、自分が欲しいと思うタイミングで買えばいい訳です。しかし買い替えつまり2軒目となると、少し話が違ってきます。多くの場合、現在居住している家を手放して、その売却代金を計算に入れて新しい家を買うことになるでしょう。そこで、買い手の都合が登場してくるわけです。いくらで買ってもらえるかという金額面もありますが、いつ買っていつから使うのかという、譲渡のタイミングが課題に挙がってきます。
今の住居が売れたら引き渡さなければならない
お金だけ払って、引き渡しはいつでもいいなどと言う買い手は、滅多にいません。先方にしてみれば何千万円も支払うのですから、すぐ我が物にしたいのが当然です。必然的に今の我が家は出なければならない。しかし、運よく同日決済できるなら良いですが、普通はこの時点で買い替える新しい家のほうの購入契約は済んでいない。住むところがないことになってしまいます。この期間の弊害を減らすための方策として銀行などの「つなぎ融資」も存在していますが、今の家の売却金額がはっきりしない状態では、いくらの融資を受ければいいのか、また融資そのものが可能なのかも、大きな心配事になってしまいます。
短期賃貸の利用が一般的
とにかく今の住居は売って現金を確保し、その上で新しい我が家の購入を実行するのが、最も確実な手段になります。その移行期間だけ、賃貸に居住するのが一般的な手段になっています。一昔前まで賃貸には敷金礼金などまとまったお金が必要(予算ぎりぎりで買い替えを進めていると、行き詰りかねない)でしたが、現在はウィークリー、マンスリーなど手軽に使える物件も増えてきました。一時の仮住まいですから、多少の不便には目をつぶりましょう。また、実家が近所にあるなら、しばらく身を寄せるという手もあります。
買い手がそのまま賃貸に回したい人だったら、ラッキー
もし現在の住居の買い手が、そこに住むのではなく運用したい意向の人だった場合、自分が借主という立場でしばらくそのまま住み続けられるよう持ち掛けてみるのも手です。もちろん相応の家賃は発生しますが、仮住まいへの転居にかかる手間とお金は節約できます。特にお子様が小学生で同一学区にとどまっていたい場合など、非常に役立つ手段です。買い手のほうも空室期間なく借り手が付くわけですから、メリットがあります。このような買い手が現れるかどうかは運に過ぎず、また必ずしも売却の際に高値を付けてくれる買い手とは限りませんが、うまく巡り合えればラッキーと考えるべきでしょう。