個人の所得税確定申告は毎年3月15日までに行うことは広く知られていますが、その平成27年分の所得税の確定申告の状況が国税庁から公表されています。国税庁の資料は統計データとしても優秀なので、ここでは申告状況から日本経済の状況を観察してみたいと思います。
平成27年分の所得税確定申告書を提出したの方は2,151万5千人で前年比0.6%増、そのうち申告納税額がある方は632万4千人で前年比3.3%、その所得金額は39兆3,729億円で前年比6.1%増、申告納税額は2兆9,701億円で前年比9.6%増といずれも前年よりも増加しています。
このうち、不動産に関係する所得には、地代や家賃収入から生じる不動産所得と不動産の売却により生じる譲渡所得があるので、これらの所得について掘り下げてみます。
不動産所得について申告を行った方は157万8千人で前年比0.4%増、そのうち申告納税額がある方は108万8千人で前年比1.0%増、その所得金額は5兆5,699億円で前年比1.4%増、申告納税額は6,495億円で前年比2.1%増となっています。
土地等の譲渡所得について申告を行った方は48万9千人で前年比1.7%増、そのうち所得金額のある方は32万1千人で前年比6.6%増、その所得金額は4兆595億円で前年比12.2%増となっています。他方、所得金額がない方は16万8千人で、前年の18万人から減少しています。
こうしてみると、ここ数年のアベノミクスのもたらす経済状況の改善が、個人所得の増加と納税額の増加にもつながっている様子を感じ取ることができます。また、不動産価格が上昇してきていることから、この機に不動産を譲渡した方も多かった様子です。平成28年地価公示も、全国平均の全用途平均で8年ぶりに上昇に転じるなど堅調に推移していることを考えると、平成28年分の所得税確定申告においてもこの傾向が続く可能性が高そうです。
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