彼女と婚約して、新居を購入し、あとは引っ越すだけとなった段階で婚約が破断となってしまったケースが自分の友人にありました。破談になった理由はわかりませんが、いずれにしろ彼は大きなものを失ったとしばらく嘆いていました。

落ち着いてきた頃に話して見ると、失った大きなものとは、彼女よりもお金の方だったようです。

契約を交わした後だったので、損失金額が発生してしまったようです。

このケースは買主の都合でキャンセルに至ったものですが、売主のものによる場合もあります。それぞれのケースでキャンセル後の処理の仕方も変わってきます。

以下ではどのような場合に、誰の都合で契約解除したら、どのような処理になるのか、見ていきます。

契約解除の種類

解除の内容もいくつかあります。まずはざっとその種類と概要を見て見ましょう。

  • まずは手付解除です。おそらくこれが最も一般的な解除になると思われますが、これは契約が履行される前に解除するものです。
  • 解除した場合、売主側の都合であれば手付金の倍額を、買主側の都合であれば手付金をそのまま渡すという形になります。
  • ここまで売主側の金額が大きいのは、買主側の保護を前提としているためです。というのも、取引経験の乏しい買主側のリスクを軽くさせるための措置とされているからです。
  • 次には、台風や洪水といった天災によって物件が大きなダメージを負ったときの契約解除が挙げられます。他にも買主・売主いずれかが契約内容を遵守せずに、身勝手な行動をとった時には契約解除となります。また買主が移り住んだ後でも、物件に大きな欠陥が見つかった場合は瑕疵担保責任に基づいて解除となります。

手付解除の期日について

上に、買主が手付金を放棄する手付解除について紹介しました。

ただし、手付解除はいつまでも有効なのかという疑問が湧いてきます。

やはり制限はあります。売買金額の清算が済んでしまったり、登記を移転先に行ってした場合には、手付解除だけでは解決されず、損害賠償に発展します。いわゆる裁判沙汰ですが、このよう問題にならないように、契約書には手付解除の期日設定や損害賠償金額の上限を設定することが推奨されています。

もちろん契約をキャンセルしないに越したことはないのですが、人生何が起きるかわかりません。

冒頭の友人のように十中八九問題ないと思っていても、急に相手側の気持ちが変化してしまうこともあります。

不測の事態に備えて、違約金や手付解除の知識を頭に入れておくようにしましょう。

 
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