不動産投資で成功しようと思えば、多くの情報を集め、その内容をきちんと把握して、適切に分析しなければなりません。
その時に役立つのが、業界用語、つまり該当分野のキーワードなのです。
キーワードは誰かが勝手に作って業界に普及したのではなく、長年の業界の歴史で洗練されてきた結果、成立したものと考えられます。
これからは、この「キーワード」の理解を通して、不動産投資のことをきちんと把握し、実際の投資に役立ててもらえればと思います。
今回は不動産投資をするにあたって、最も重要なキーワードの一つ、「利回り」について解説してみたいと思います。
不動産投資を実行するには、このキーワードの理解は避けて通れません。
まず、利回りということを端的に紹介してみましょう。
利回り=年間の賃料(年間収益)の物件価格(投資金額)に対する割合
自分が支払った投資金額に対して、年間収益はどれくらいの割合になるのか、といったことを明らかにします。
なぜこれが重要かというと、自分の投資金額がどれくらいの期間で回収できるかという、回収期間の目安になるからです。
では、例をもとに見てましょう。
年間賃料=60万円(一ヶ月の家賃は5万円)
物件価格=500万円
とした場合、
60万円÷500万円=0.12
つまり12%の利回りとなります。
しかし、ここには利回りの落とし穴があります。
ここには毎月かかるはずの管理費や税金といった諸経費が考慮に入れられていません。
そのため、このような利回りのことを、表面利回り、または想定利回りと呼ばれています。
こういった利回りの数字は、よく不動産会社の広告などで、「○○.○%の高利回り!」といった宣伝文句に見られるものです。
これを餌にして、投資家の人たちを集めようとしている意図が見られます。
では、一体現実的な利回りは、どのような方法で算出されば良いのでしょうか。
下に利回りの種類を、その計算式とともに以下に挙げますので、それぞれ確認してみましょう。
・表面利回り(想定利回り)
計算式:年間賃料(毎月の賃料×12か月)÷物件価格
これは上に説明した容易に、実際の諸経費を計算に入れないで算出したものです。
・実利回り
計算式:(年間賃料−諸経費)÷物件価格
これは、より実際に即した計算式で、諸経費を年間賃料から差し引いています。
諸経費には下の三つがあります。
・修繕積立金・管理費
・不動産管理費(賃料の5〜10,%)
・固定資産税(賃料のおよそ4%)
では具体的に、これら経費を考慮に入れた場合の利回りがどれほどになるのか、例をもとに見てみましょう。
年間賃料=60万円(一ヶ月の家賃は5万円)
物件価格=500万円
修繕積立金・管理費=9万6000円(一ヶ月で8000円)
不動産管理費=3万円
固定資産税=2万4000円
とした場合、
60万円−15万円÷500万円=0.09
つまり9%の利回りとなります。
先にあげた表面利回りが12%でしたから、3%も下がっていることがわかります。
以上、実際にかかるコストを考慮に入れて計算することで、現実的に物件購入するときの正確な判断要素になりますね。
もっと言えば、賃貸物件には「空室」というリスクが付き物ですので、そのリスクを考慮に入れる必要もあり、さらには購入時の事務手数料も少なからずかかります。
これらの点はおいおい説明していくこととしますので、また付き合ってもらえればと思います。
ご清聴をありがとうございました。