「アメリカの不動産」と聞くと「サブプライムローン問題」、「リーマンショック」を思い出す方も多いのではないでしょうか?
2007年に起きたアメリカ発の金融危機であるリーマンショックは全世界に影響を与え、日本にも大きな被害が発生しました。
ただ、その後のアメリカの不動産は好調。
全米20都市の住宅価格はリーマンショック前の2005年の水準に戻っており、不動産価格は堅調に伸びています。
友人が突然アメリカのカリフォルニアへ移動になったのですが、日本の感覚で気軽に「月の家賃7~8万円ていどの賃貸物件」を探していたところ、見つかったのは壁に穴は開いておりネズミは駆け回りトイレも共同の狭いボロボロなワンルーム。ほぼ、スラムです。手狭なワンルームでも、倍以上の家賃を出さなければ綺麗なお部屋は借りれません。もちろん、一部の沿岸部を中心とした都市の家賃水準でありアメリカのほとんどを占めるカントリーサイドはもう少し不動産価格は低いのですが。結局友人はカリフォルニアの郊外に部屋を借りることになりました。
「狭いのに家賃は高い日本」と比べても、都市部の家賃価格は脅威水準です。
アメリカ全体の不動産価格も上昇しています。
そもそも、アメリカの経済はリーマンショックで一旦落ち込みはしたものの常に好調です。過去30年でGDPは4倍に膨れ、膨大な移民のおかげで少子高齢化知らずの人口増加を見せていますし、なによりシェールガス開発など先進技術で様々な産業も生み出せる超大国アメリカ。
その好調なアメリカの景気や不動産市場をさらに活性化させようとしているのが、新たにアメリカ大統領へ就任した「不動産王ドナルド・トランプ」です。
不動産価格の上昇というのは、規制緩和などの政策によるものも大きいのです。
ウォール街を中心とした金融界が不動産を証券化させ、いい加減なデリバティブ取引が過熱したことから不動産バブルが発生し、リーマンショックが起きてしまいました。
その教訓から2010年、オバマ政権は包括的な金融規正法のドッド=フランク法を成立。デリバティブ取引の透明化やリスクのある取引の禁止を盛り込んだ法律なのですが、規模が幅広いため「経済成長を阻害している」という批判も。
トランプ政権では、ドッド=フランク法を見直す、もしくは撤廃することで規制緩和しようという方針です。
また、トランプ大統領の打ち出した大規模なインフラ投資も不動産価格にプラスな影響を与えるとみられています。
すでに関連する株価はうなぎ上りです。
再び、あの熱狂したアメリカの不動産バブルは起きるのか?!
・・・次に弾ける時はもう少し他国に迷惑な弾け方をしないでほしいですね。